ため息は英語だと「sigh」。そう教えてくれたのは、スヌーピーでおなじみの漫画「ピーナッツ」だ。1950年、米紙で連載が始まり、来月で70年という◆かつて買い集めた和英対訳の日本版を引っ張り出すと、1冊290円。ピーナッツがロッキード事件の怪しい金の符丁であり、ピーナッツ農家出身のカーターさんが大統領になった頃だ◆かわいいだけの漫画ではない。少年少女の日々は幻滅の連続だ。野球でゴロを打たせると、内野手スヌーピーは“撃墜王ごっこ”に夢中で目もくれず、投手のチャーリー・ブラウンは力なくため息、Sigh…となる◆そんな主人公について、訳者の詩人、谷川俊太郎さんは〈37歳に思える時もあるし、70歳に感じられる時もある〉と記す。見方を変えると、どんな大人の心の中にも傷つきやすい子どもがいて、それゆえに世代を超えて愛されてきたのかもしれない◆ただし、当節は大人なのに、子どもじみた態度に出る人を見かける。選挙を前に「決着は最高裁で」と発言した大統領もこのタイプか。結果次第では訴訟に持ち込むつもりらしい。Sigh…ではある。
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