2020年8月11日火曜日

住]在宅勤務にミニ書斎…リビングの一角/押し入れ改造

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 新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が浸透し、自宅にワークスペースを設ける人が増えている。物干しスペースの奥やリビングの一角、押し入れなどを有効活用して「ミニ書斎」を作るのが人気だ。

物干しスペースの奥にカウンターデスクを設けた川上さん宅のミニ書斎(加藤さん提供)
物干しスペースの奥にカウンターデスクを設けた川上さん宅のミニ書斎(加藤さん提供)

 新潟県燕市の会社員、川上洋昭さん(44)は、今年3月に自宅を新築した際、2階の屋内にある物干しスペースの奥に、3畳ほどのミニ書斎を設けた。カウンターデスクと棚を取り付けたシンプルな造り。デスク正面の小窓の下はキッチンで、食事の時間には妻が声をかけてくれる。在宅勤務が続き、平日の日中の仕事場所はほとんどこのミニ書斎だ。「会社の自席のスペースと同じくらいの広さがあるので、これで十分です」設計を手がけた新潟市の1級建築士、加藤淳さんによると、個室の書斎を作るよりもコストがかからないため、室内の一角に書斎を作る人が増えているという。「坪単価が高かったり、賃貸が多かったりする都市部でも取り入れやすいと思います」と加藤さん。

 三井ホームが6月、週1回以上在宅勤務をしている共働きの男女に「コロナ禍を経て、これから家を建てる場合、以前より重視する条件」を複数回答で尋ねたところ、「家族それぞれの部屋がある」(62%)の次に「ワークスペースがある」(53%)が多かった。

 分譲時からワークスペースを備えた新築住宅も登場した。不動産会社「ハウセット」(東京)は5月、ワークスペースがある戸建て住宅を都内で売り出した。リビングの一部が、椅子に座った時の目の高さほどの壁で区切られ、内側にカウンターデスクが設けられている。発売から約1か月半で全13棟が完売した。

 賃貸物件でも、ワークスペースを設けたものが人気だ。大東建託(同)が7月から取り扱う「テレワーク対応型賃貸住宅」は、サンルームの奥や窓に面したスペースにカウンターデスクがあり、日当たりの良い仕事場になる。担当者は「賃貸物件なので、書斎として一部屋を作るより、空きスペースを有効活用したい」と話す。

押し入れを改造したミニ書斎(白石さん提供)
押し入れを改造したミニ書斎(白石さん提供)

 長崎県五島市の広告企画業、白石洋一さん(43)は今春、在宅勤務を機に、自宅の押し入れを改造。ふすまを取り外し、中板の上に天板を置いて机代わりにした。奥には穴の開いた有孔ボードを取り付け、イヤホンなどの小物をフックでつるす。蛍光灯も取り付け、ビデオ会議の際に顔が明るく映るようにした。

 白石さんは「当初は食卓で仕事をしていたが、食事のたびに片付けが必要で集中できなかった。押し入れデスクは使い勝手も良く、気に入っています」と満足そうだ。

 インテリアコーディネーターの金城貞美さんは、「押し入れの中に電子機器を置くと熱がこもりやすいので、扉は付けず開放した方がいい。目隠ししたければ、ロールスクリーンがおすすめです」と話す。「押し入れの内側に壁紙を貼ったり、資料を整理するカラーボックスを置いたりすると、殺風景な感じがなくなり、いい作業環境になります」とアドバイスしている。

 

写真はイメージです Photo:PIXTA© ダイヤモンド・オンライン 提供 写真はイメージです Photo:PIXTA

夏場になると足が蒸れてむしょうにかゆくなる。中高年にはおなじみのあのかゆみ、水虫の再来だ。Japan Foot Week(JFW)研究会の調査では約2500万人、つまり日本人の5人に1人が水虫にかかっているという。水虫はなぜか民間療法に頼る人が多く、医者に行かずにお茶で足を洗ってみたり、酢を入れたお湯に突っ込んでみたり、いろいろと試しては治らないと嘆く。どうやら今の医学では治せないからと端から諦めているらしい。確かに昭和の昔は治らなかった。しかし、令和の今、水虫は薬できっちり治るのだ。(サイエンスライター 川口友万)

3人に1人はニセ水虫

 足の裏がかゆくなると水虫だと思う。薬局に行くといろいろな薬が売られている。買って塗るが治らない。そこで別の薬を買うがやはり効かない。そのうち夏が過ぎ、秋も終わり、気がつけばかゆみが治まっている。

 そういう人は多いと思う。だが、なぜ薬が効かないのか。  実は水虫だと思っている人の2~3人に1人はニセ水虫といわれる、異汗性湿疹という別の病気だからだ。その場合、水虫の薬では治らない。

 皮膚科医によると見かけも症状も水虫にそっくり。かゆく、夏に悪くなることもあり、指の間がふやけたり白くなったりする。見分ける方法はなく、患部から皮膚のサンプルを取り、顕微鏡でのぞくしかない。異汗性湿疹であれば、水虫の原因である白癬菌(はくせんきん)が見つからないから、判別は容易だ。

 そもそも水虫、知っているようで知らない。昔は水虫薬を発明すればノーベル賞と言われたものだ。それぐらい治りにくい病気だった。

 白癬菌はカビの仲間で真菌という。カビをやっつける薬は開発しにくい。真菌は細菌やウイルスに比べるとより人間の細胞に近い。だから真菌を攻撃しようとすると人間の細胞も攻撃する可能性があるからだ。

 とはいえ今は抗真菌薬も進化、きちんとした診断を受け、適正に薬を使えば1カ月から長くても数カ月で完治する。

 木酢液(もくさくえき)やお茶が効くという話もよく耳にするが、それが本当であればとっくに標準治療になっているはずである。

 前述の皮膚科医いわく、酢のにおいをプンプンさせながら来る人もいますよ、とのこと。酢にはカビの増殖を抑える作用はある。しかし抗真菌剤と比べると、その効果はわずか1万分の1である。

 他にもアロエは治る前にかぶれる人が多く、紫外線治療器は発がん性がある。裸足で夏の砂浜を歩くと治るという俗説もあるが、そもそも水虫の死滅温度は50~60度であり、砂浜の温度ではヤケドをするだけで水虫は治らない。

急増する

女性の水虫

 水虫と言えば男の病気だったが、最近は女性の罹患(りかん)者も多い。女性が社会進出するようになるのに合わせて、罹患者が急増。男性と女性の比率はおよそ3対2というのが現状だ。

 なぜ社会進出と水虫が関係しているかと言えば、靴を履いている時間が延びたためだ。24時間以内なら、たとえ菌が皮膚についても洗えば大丈夫だ。しかしスポーツクラブ行った後にハイヒールを履いたりする生活では、白癬菌が増殖してしまう。

 サウナがブームだが、サウナの足ふきマットにはほぼ間違いなく白癬菌がいる。風呂から上がった後にマットから真菌が足に感染するのだから困ったものだ。対策としては足の裏まできちんと拭いて、乾燥させてから靴下をはくこと。相手はカビなので、水分さえなければ増えようがない。

 なお市販薬も医療用薬も2~3種類を除き、ほとんど成分は同じ。じゃあ薬局で買えばいいやと思うかもしれないが、異汗性湿疹の可能性があり、また市販薬にはかゆみを止める薬や香料が入っているため、それが原因で皮膚炎を起こす人もいる。

 2000年以降から使われているチオカルバミン酸系のリラナフタートとイミダゾール系のルリコナゾール、通称ルリコンは殺真菌効果が高い。まずは皮膚科へ行き、白癬菌が見つかればこうした薬を処方してもらうのが、時間もお金も一番かからない。なんといっても市販薬は健康保険が利かないから高いのだ。

 また最近は爪水虫(爪白癬)という、爪の中に白癬菌が入り込むタイプの水虫がはやっている。日本医真菌学会が参加した病院で集計した結果、来院患者のおよそ10%に爪水虫が見られたという。

 症状は爪の変色や劣化。爪が黄色くなったり、ボロボロ剥がれだしたら、老化か爪水虫か微妙なところ。爪水虫の場合、家族や他人にうつったりもするし、ただの水虫の原因にもなるので、かゆくなくても治療しないと迷惑この上ない。

 治療は抗生物質を服用することになる。爪水虫は白癬菌が爪の中で増殖するため、塗り薬のような外用薬が効きにくいためだ。

頭に水虫が

できるケースも

 2001年から柔道やレスリングの選手の間で、「頭水虫」という妙な名前の病気がはやりだし、今や全国区となりつつある。

 頭水虫は名前の通り、頭に水虫と同じ白癬菌の一種の真菌、トリコフィトン・トンズランスに感染し、炎症を起こす病気だ。トリコフィトン・トンズランス感染症という。元々は南米の病気だが、親善試合で南米へ行った柔道選手が感染したのが最初だといわれている。

 頭に水虫と聞くと衝撃的だが、実は頭には水虫の原因である真菌の仲間が常駐している。男性では98%、女性も60%程度の人は頭に水虫の仲間を飼っているのだ。これがマラセチア・フルフルという真菌で、フケの原因なのだ。

 マラセチア・フルフルが異常繁殖すると頭皮に炎症が起きる。炎症部分を押し出そうと皮膚の代謝が進み、代謝された細胞はフケになる。毛穴の周辺で毛穴がふさがるほどフケが出ると、髪の毛の新陳代謝が悪くなり、髪の毛が抜ける。粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)という。フケが多いと思っていたら、今度はハゲるかもしれないわけだ。

 マラセチア・フルフルは中性脂肪が好物なので、中性脂肪が多い人はフケが出やすい。中高年にフケが多い気がするのは、けして気のせいではなく、中性脂肪の分泌が多いためだ。要は肥満であり、中性脂肪の増加は動脈硬化の原因にもなる。

 マラセチア・フルフルは真菌なので、通常の抗菌剤や殺菌剤では死なない。そこで水虫治療薬として使われる硝酸ミコナゾールを使う。この薬剤は真菌の細胞膜に必要なエルゴステロールの生合成を抑制し、真菌が細胞分裂する際に細胞膜を作らせない。治療には硝酸ミコナゾールが配合された薬用シャンプーを使うのが一般的だ。

 では頭水虫のトリコフィトン・トンズランスはというと、これが手ごわい。

 通常の抗真菌剤がまるで効かない。イトリゾール、塩酸テルビナフィンなどの成分が含まれた薬を服用することになる。また頭だけではなく、体に広がった場合はステロイド剤を使うことになる。

 足の裏も頭も、真菌が暴れだすのは不潔で湿った環境である。清潔にして、おかしいと思ったら早めに医師の診断を受けた方がいい。ここで治さなければ、結局、秋以降に菌が休眠状態に入り、再び来年の夏に暴れだすだけだ。なんといっても敵はカビなのである。

 

© ハフポスト日本版

京都のお盆に先祖の霊を送る「五山送り火」。予定より一足前の8月8日夜、何者かが如意ケ嶽(京都市左京区)で「大」の形に点灯させた。報道によると、遠目では、人工的な光に見えたという。祇園まつりなどと並び、京都の四大行事の一つであり、お盆に先祖に想いを馳せる京都の人の大事な儀式の一つでもある。

五山送り火は、名前の通り京都市内を取り巻く5つの山に、それぞれ「大」や「法」などの文字や、舟や鳥居などの形を、松明で夏の夜の山に浮かばせる。草木を刈った山の斜面に櫓を組んで火を放つ。本来は遠目に見てもオレンジ色の光だ。今回は青白い光だったと多くの目撃談が語ってる。

© ハフポスト日本版

送り火とは、日本各地でも行われるお盆の行事の一つ。お盆に帰ってきた死者の魂を現世からふたたびあの世へと送り出す行事だ。

保存会が通年かけて準備する。その年の2月に松を選定するのを手始めにその日に臨む。2020年8月16日が予定されていた。

銀閣寺の周辺の住民たちが「大文字保存会」をつくり、市民のほか、学生ボランティアやボーイスカウトなどとともに大文字送り火を運営している。

保存会によると、自然の山の斜面に若干土を盛り、松の木や、お焚き上げする祈願札である護摩木や松葉を井桁状に組んだ火床75箇所に火を灯す。「大」の中心は金尾と言われ、大きな割木が組まれている。

大きさは、「大」の字は第1画の横棒は80メートル、第2画の左払い160メートル、第3画は120メートルだ。火を置く火床の数と場所は決まっている。

山は送り火当日は、原則的に登山は出来ないが、通常は30分〜1時間ほどのピクニックコースは誰でも登れる。関係者によると、火を置く火床はわかるため、今回点灯も似たように出来たのではないかと見ている。

京都新聞によると、京都市文化財保護課が9日朝になって点灯の画像をツイッターで確認したという。同課は「今夏の送り火は新型コロナウイルスに伴い自粛対応することもあり、地元の思いを考えるといたずらの域を越えている。盆に迎えた先祖の霊を送る伝統行事の本義を考えてほしい」と話している、と伝えている。

(以下引用)

「五山送り火」の詳細 *京都市情報館サイトによる

「大文字」(京都市左京区浄土寺・如意ヶ嶽(大文字山)。8時点火)

「松ケ崎妙法」(京都市左京区松ヶ崎・西山及び東山。8時5分点火)

「船形万灯籠」(京都市北区西賀茂・船山。8時10分点火)

「左大文字」(京都市北区大北山・大文字山。8時15分点火)

「鳥居形松明」(京都市右京区嵯峨鳥居本・曼荼羅山。8時20分点火)

(以上引用)