神戸観光局の担当者は「神戸市内の観光施設も厳しい状況。期待はもちろんある」としたが、「クラスター(感染者集団)の発生も心配で安易に観光客を呼び込むことはできない」と複雑な思いを語った。
関西有数の観光地として知られる和歌山県白浜町では、23日には白良浜(しららはま)が海開きされる。同町の老舗旅館「紀州・白浜温泉むさし」は4連休中、約9割の部屋が予約で埋まっているといい、沼田久博社長(66)は「たくさんの方々に来ていただき、白浜の経済を立て直したい」と意気込んだ。
朝、夕食ともバイキングだったのを弁当にしていたが、23日からは1人前ずつ小皿で提供する「ハーフバイキング」形式に。人気のサウナは「感染予防には換気が必要だが、熱が逃げてしまう」と中止した。
大阪・ミナミの商店街でも模索が続く。道頓堀商店会(大阪市中央区)では今月から、休業中の店前など4カ所にテラスを設置し、購入した食事や飲み物を屋外で楽しめる「道頓堀エンタメストリートカフェ」を開催。道頓堀川沿いでの夜市なども計画中だ。
消毒液を配置し、府が運用する「大阪コロナ追跡システム」のQRコードなども掲示。同商店会の北辻稔事務局長(68)は「感染予防対策を大前提に、楽しんでもらえる企画をしていきたい」と意気込む。
「大阪や東京での感染者増加で、キャンペーンへの風当たりが厳しくなっている」と懸念するのは黒門市場商店街(同区)振興組合の吉田清純副理事長(72)だ。
中国人など外国人観光客に人気だったが今も約10店舗が臨時休業中。客足は戻っていないという。
約150の加盟店舗に消毒液設置と従業員のマスク着用などを要請。「Go To」利用者対象の特典も検討中で、「黒門市場の魅力を伝えるイベントや特典を考案したい」と話した。