2020年7月21日火曜日


サウナの効用<3>冷え性改善 ツルツル美肌


「サウナこそ人生…本場フィンランド流サウナの楽しみ方」の動画はこちら
岩田さんが描いたイラスト。「髪にトリートメントを塗ってタオルを巻いてサウナに入ると髪がツヤツヤになりますよ」と語る
岩田さんが描いたイラスト。「髪にトリートメントを塗ってタオルを巻いてサウナに入ると髪がツヤツヤになりますよ」と語る
岩田リョウコさん(本人提供)
岩田リョウコさん(本人提供)
 「女性が一番美しいのはサウナを出た後の1時間」
 2000年以上前にサウナが発祥したとされるフィンランドには、こんな金言がある。サウナを愛好する東京都の文筆業岩田リョウコさん(41)は、この言葉に強くうなずく。「サウナに入ると、お肌がツルツルになるし、なぜか心も体も満たされます」と語る。
 岩田さんは敏感肌で、かぶれやすかった。夏でも分厚い靴下が手放せないほどの冷え性も悩みだった。
 サウナにずっと関心はなかった。酔っ払って終電を逃したおじさんが泊まるイメージだった。2017年に友人の勧めで入るようになると、お肌の調子が良くなったり、冷え性が改善したりと、効果を実感した。
 日本美容皮膚科学会の理事で、順天堂大浦安病院(千葉県浦安市)皮膚科教授の須賀康さんは「サウナは美しい肌作りに効果がある」とし、フィンランドに伝わる金言は、医学的に正しいと指摘する。
 サウナに入ると血液の流れが良くなる。熱を放散させるため血管が拡張するためだ。これによって「ターンオーバー」と呼ばれる肌の新陳代謝が促される。皮膚の表面のバリアが丈夫になり、保水力のある滑らかな状態を保てる。毛穴に詰まった汚れや余分な皮脂が汗とともに排出され、ニキビの予防効果もある。
 サウナによる血流の改善効果は、手足などの末梢まっしょう血管だとさらに大きい。定期的に入れば、血液の循環が悪いことで起きる冷え性や肩こりの改善にもつながるという。
 ただ、注意点もある。サウナに慣れていない人は、温度が低い下の席でじんわりと汗を流すのが良い。乾燥肌の人は温度が低めで、湿度が高いミストサウナが向いている。
 「代謝が良くなり、ごく短期間でやせるというのは誤解」と須賀さん。汗をかいて一時的に体重が減るだけで、逆に水分を十分補給する必要がある。
 サウナの本場・フィンランドは、幸福な国ランキング1位で知られる。サウナ好きが高じて、この国をたびたび訪ねている岩田さんは、国民が日常的にサウナを楽しんでいるからだと感じている。人口約550万人に対して、大小合わせて約300万か所もサウナがあるという。
 サウナをはじめフィンランドの魅力を紹介する「週末フィンランド」を2月に出版した岩田さん。「サウナの後に湖に飛び込み、森を眺めながら外気浴できるのが本場の楽しみ方。心が洗濯されるような気持ち良さがありますよ」

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