2020年7月11日土曜日

流量は信濃川の800倍、「大気の川」熊本豪雨時に発生

 熊本県の球磨くま川が氾濫した4日、日本上空には大量の水蒸気が帯状に流れ込む「大気の川」と呼ばれる現象が発生していたとする解析結果を、筑波大の釜江陽一助教(気象学)がまとめた。水蒸気を水に換算した推定流量は、日本最大の流量を誇る信濃川の約800倍にも相当し、広域での降雨につながったとみられる。
 大気の川は、長さ1500キロ以上の水蒸気帯を指し、雨のもとになる水蒸気を次々と送り込む。2018年の西日本豪雨などでも発生したとされる。
 釜江助教は、気象庁提供の水蒸気量や風向などのデータを分析。4日午前3時には西日本~東日本の上空1・5キロ付近に、長さ約3000キロ、幅約600キロ、厚さ約3キロの大気の川が延びていたと推定した。
 内部の水蒸気を水に換算して流量を計算したところ、毎秒約40万立方メートルに上ることが判明。信濃川の年平均流量(同約490立方メートル)の約800倍に当たり、西日本豪雨で発生した大気の川の推定流量(同約48万立方メートル)にも迫る規模だった。
 今回、九州の西と南の海上から大量の水蒸気が運ばれて大気の川が発生し、国内の広域に及ぶ降雨の原因になったとみられる。特に、最初に流れ込んだ九州では、集中豪雨の形で現れたと考えられるという。
 釜江助教は「地球温暖化が進めば、大気の川が巨大化し、頻度も増える恐れがある。豪雨リスクがどれほど高まるのか、さらに調査が必要だ」と話す

クラスター、34都道府県で238件…医療機関や社福施設で多発

新型コロナ


 新型コロナウイルスのクラスター(感染集団)が34都道府県で238件発生していたことが、全国知事会の調査で分かった。県境を越える移動自粛が全面解除された6月19日までが調査対象で、施設別では、医療機関が84件(35%)で最も多く、社会福祉施設62件(26%)、飲食店など41件(17%)と続いた。
 都道府県のコロナ対策を検証する知事会のワーキングチーム(WT)が、1か所で5人以上の感染者が発生した事例をまとめ、今月10日に結果を公表した。
 医療機関の内訳は、病院が79件で診療所が5件。社会福祉施設のうち48件は高齢者施設で、児童施設8件、障害者施設6件だった。飲食店などの41件は、キャバレー14件、ライブハウス6件、ナイトクラブ2件など。ほかに企業などで発生が35件あり、学校・教育施設と、スポーツジムを含む運動施設で4件ずつ起きていた。
 WTは結果を踏まえ、必要なコロナ対策を盛り込んだ報告書を8月にまとめる方針だ。
朝礼前に黙とうする球磨村災害対策本部の職員ら(11日午前7時30分、熊本県球磨村で)=冨田大介撮影
朝礼前に黙とうする球磨村災害対策本部の職員ら(11日午前7時30分、熊本県球磨村で)=冨田大介撮影
 九州に甚大な被害をもたらした豪雨は、熊本、鹿児島両県に特別警報が出されてから11日で1週間となった。この日は大雨が降り続く中、熊本県では犠牲者に祈りがささげられた。行方不明者の捜索も続けられた。梅雨前線上の低気圧は今後、東北地方に接近するため、12日にかけて九州北部から東海、東北の広い範囲で局地的に非常に激しい雨が降る見通しだ。
 11日午前11時現在、一連の大雨による死者は熊本県60人、福岡県2人、大分県1人の計63人。行方不明者は熊本県9人、大分県5人、長崎、鹿児島県各1人の計16人となっている。
 熊本県球磨くま村の災害対策本部が置かれている村内の多目的施設「さくらドーム」では、11日午前7時半、村の職員ら約50人が犠牲者に黙とうをささげた。午前9時頃には、球磨川の水位が上昇。村は防災無線で高台避難を呼びかけ、ドームには続々と住民が避難した。19人が亡くなった同県人吉市でも同様に避難が呼びかけられ、緊迫した雰囲気に包まれた。
 同県は11日から、人吉市と山江村で応急仮設住宅の建設に着手した。読売新聞の集計では11日正午までに、九州各県で床上浸水計6291棟、床下浸水計5720棟などの住宅被害が確認されている。
 気象庁によると、前線は15日頃まで停滞する恐れがある。12日午前6時までの24時間雨量は、多い所で東海200ミリ、九州北部と四国、関東甲信150ミリ、九州南部と近畿、北陸120ミリ、東北100ミリなどと予想されている。

高齢者の見守り コロナ禍での孤立防ぐ工夫を




 外出自粛が長引いたことで、一人暮らしの高齢者が体調を崩すケースが目立っている。孤立しないように、官民が協力して見守る必要がある。
 家に閉じこもりがちになり、運動不足で持病が悪化する。人と会話ができないストレスから、不眠や食欲不振になる。感染が拡大して以降、こうした不調に悩む高齢者は少なくない。
 外出自粛中は、民生委員や地域住民らによる戸別訪問や交流イベントが中止されていた。周囲が体調の変化に気づかず、対処が遅れるケースもあった。
 福島県では5月、60歳代の男性が自宅で亡くなっているのが見つかった。戸別訪問が中断されており、死後2か月とみられる。
 一人暮らしの高齢者は全国に680万人以上いる。頼りにできる家族や友人が近くにいない人も多い。地域の見守り機能を再構築することが欠かせない。
 これまでと同じ方法で取り組むことは難しい。高齢者はひとたび感染すると重症化しやすく、戸別訪問で直接対面するのは、リスクが高いためだ。
 電話や手紙でこまめに連絡を取ったり、インターホン越しに言葉を交わしたりして、接触を絶やさないようにしたい。
 高齢者が玄関先に小旗を掲げることで、対面せずに安否を知らせている地域もある。参考になる試みと言えよう。
 見守りの際には、しっかり食事をとっているか、よく眠れているかなどを確認することが大切だ。体調が急変した場合には、速やかに連絡してもらえる体制を整えることが不可欠である。
 新型コロナウイルスの流行を受けて、厚生労働省は全国の自治体に対して、高齢者の見守りを強化するよう求めている。ただ、現場を担う民生委員らは高齢化が進んでおり、人手不足も深刻だ。
 定期的に高齢者宅を訪れる電気、ガスの事業者や宅配業者、新聞販売店などと見守りの協定を結んでいる自治体は多い。こうした連携をさらに強化すべきだ。
 情報通信技術の活用も重要だ。福岡市は企業と共同で、高齢者宅に人の動きを感知するセンサーを設置し、異変がないかどうか確認する取り組みを始めた。
 高齢者は体を動かさないと、筋力が低下し、要介護手前の「フレイル」と呼ばれる虚弱状態に陥りやすい。高齢者本人も、感染防止に気をつけながら散歩に出たり、家事などで座っている時間を減らしたりするよう心がけたい。

7月11日 編集手帳


 夏目漱石『三四郎』に、高齢の女性が「昔は雷さえ鳴れば梅雨は明けるにきまっていた」と俗信を唱え、しつこい雨にぐちをこぼす場面がある◆梅雨明けの言い伝えはほか、「セミが鳴いたら」がおなじみだろう。初セミといえばニイニイゼミだが、アブラゼミを「梅雨明けゼミ」と呼ぶ地方もあると天気エッセイストの倉嶋厚さんが随筆に書いていた◆熊本出身の知人にメールを出すと、こんな返信が来た。「母はアブラゼミが鳴いたので、梅雨は終わると話していたのですが…」。戸惑いがにじむ。梅雨明けの見通しもないまま、大雨が降り注いでいる◆九州豪雨の被害が深刻の度を強めるばかりだ。線状降水帯が消えては発生し、行方不明者の救助が難航している。気象庁が「令和2年7月豪雨」と命名した災害は1週間ほど過ぎたものの、いま災害のどの時点に来ているかも分からない。被災地の方々の苦痛や不安はいかばかりだろう◆7月は旧暦の「水無月」が始まる時節にあたる。「水悩月」との別称もある。いま以上に悩みが深くならないよう、俗信にさえすがりつきたくなる。セミよ、力強く鳴いて。
© 産経新聞社 大阪も若年層感染際立つ 中高年や家族・職場への拡大警戒  
  大阪府は10日、新たに22人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。うち半数の11人が20~30代だった。直近2週間で若年層を中心とした感染拡大傾向が続き、府は夜の繁華街などでも105人で、それぞれ基準の「10人以上」と「120人以上」に迫っている。
 府によると、仮に11日の新規感染の感染防止を呼びかけている。
 6月27日~7月10日に府内で確認された感染者149人(年代が分からない就学児ら4人を除く)を年代別にみると、20代が最多の79人で53%に上った。10代が24人(16%)、30代が19人(13%)と続き、10~30代で約8割を占めた。
 府によると、こうした年代では夜の繁華街を訪れた人や飲食店従業員らの感染が目立つという。
 ただ、6月下旬は感染者ゼロの日が多かった40~60代も同月末から徐々に増加。東京都と同様に大阪府も、若年層から家族や職場などを通じて広がる事態を警戒する。
 吉村洋文知事は10日、「基礎疾患がある人や高齢者にうつれば命の危険も出てくる。若い人はうつさない行動を取ってもらいたい」と呼びかけた。
 自粛要請の基準「大阪モデル」が示す数字も厳しい。10日時点で、感染経路不明者の前週比(7日間平均)が基準の2・0倍に達したほか、感染経路不明者数(同)は9・43人、新規感染者数の7日間合計値者が32人に上り、うち経路不明者が31人だった場合、「警戒」の黄信号がともる可能性がある。その際は同日にも対策本部会議を開き、府民や事業者に求める対応を決定する。



去年、大規模火災が起きたフランス・パリのノートルダム大聖堂が、焼失前と同じデザインで修復されることになりました。
去年4月の大規模火災で焼け落ちたノートルダム大聖堂のシンボル・尖塔について、政府は当初、新たなデザインを公募すると発表し、各国の建築家などが様々な提案をしていました。
しかし、公募により工期が遅れる可能性があるなどの理由から方針が変更されマクロン大統領が焼失前と同じデザインの再建計画を承認しました。
大統領は、2024年のパリオリンピックに間に合うよう、再建を目指す方針です。 
徳光和夫© スポーツ報知/報知新聞社 徳光和夫  フリーアナウンサーの徳光和夫さんが11日、パーソナリティーを務めるニッポン放送「徳光和夫とくモリ!歌謡サタデー」(土曜・前5時)に生出演した。
 番組では、先週の放送で徳光さんが競馬予想し獲得賞金をリスナーにプレゼントするレギュラーコーナー「勝負一発!徳さんの夢プレゼント」で5日に阪神競馬場で行われたCBC賞で3連複とワイドの予想が的中したことを発表した。
 レースは徳光さんが予想した13番人気のラブカンプーが1着、2着に11番人気のアンヴァル、3着に3番人気のレッドアンシェルとなり、獲得金額は3連複、ワイドの合計で番組10周年で最高の76万6370円となった。
 徳光さんは、予想の大的中に「10周年の時に史上最高額をリスナーの方にプレゼントできるのは望外の喜び」と明かしたが、ただこの馬券を「自分で取ってないんです。買ってないんです」とうなだれた。
 続けて「てっきり買ったと思っていた。これ日曜日のレースでしょ?土曜日に買っていた。土曜日の11レースになっちゃった」と曜日を間違えて買ったことを明かした。その上で「買っていたら300円ぐらいは買っていた。そしたら600万円ぐらいになっていたと思うんです。本当にがっくりきて。思い出すと悔しくて、きょう番組ができなくなると思ってしまうんで、何とか忘れていたんですが、今あの時の悔しさがふつふつと沸いてきた」とうなだれていた。
 さらにプレゼントする金額の中から20万円を新型コロナウイルス感染拡大防止支援や九州豪雨の義援金として寄付する事を提案し、リスナーに56万6370円をプレゼントすることになり、7000通を超える応募の中から抽選の結果、横浜市内の男性が当選した。
羽田空港第2ターミナルに到着した人たち=11日午前© KYODONEWS 羽田空港第2ターミナルに到着した人たち=11日午前  東京都の新型コロナウイルス感染者が連日200人を上回り、不安感が広がっている。週末を迎えた11日、東京と各地を移動する人たちは感染予防を徹底。慎重な行動を心掛ける声が相次いだ。
 日本各地と結ぶ羽田空港。到着ロビーに出てきた大阪市の女性会社員(23)は、都内の病院で持病の検査を受けるために上京。「アルコールを持ち歩いてこまめに消毒し、友達とも会わずに(千葉県の)実家でおとなしくします」
 都内の出張から大分市に戻る会社経営の男性(63)は「東京への出張を知られたら、地元では商売ができない。家族以外には言わないで来た。帰ったら消毒を徹底します」と声をひそめた。