九州に甚大な被害をもたらした豪雨は、熊本、鹿児島両県に特別警報が出されてから11日で1週間となった。この日は大雨が降り続く中、熊本県では犠牲者に祈りがささげられた。行方不明者の捜索も続けられた。梅雨前線上の低気圧は今後、東北地方に接近するため、12日にかけて九州北部から東海、東北の広い範囲で局地的に非常に激しい雨が降る見通しだ。
11日午前11時現在、一連の大雨による死者は熊本県60人、福岡県2人、大分県1人の計63人。行方不明者は熊本県9人、大分県5人、長崎、鹿児島県各1人の計16人となっている。
熊本県球磨 村の災害対策本部が置かれている村内の多目的施設「さくらドーム」では、11日午前7時半、村の職員ら約50人が犠牲者に黙とうをささげた。午前9時頃には、球磨川の水位が上昇。村は防災無線で高台避難を呼びかけ、ドームには続々と住民が避難した。19人が亡くなった同県人吉市でも同様に避難が呼びかけられ、緊迫した雰囲気に包まれた。
同県は11日から、人吉市と山江村で応急仮設住宅の建設に着手した。読売新聞の集計では11日正午までに、九州各県で床上浸水計6291棟、床下浸水計5720棟などの住宅被害が確認されている。
気象庁によると、前線は15日頃まで停滞する恐れがある。12日午前6時までの24時間雨量は、多い所で東海200ミリ、九州北部と四国、関東甲信150ミリ、九州南部と近畿、北陸120ミリ、東北100ミリなどと予想されている。
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