2020年7月11日土曜日

朝礼前に黙とうする球磨村災害対策本部の職員ら(11日午前7時30分、熊本県球磨村で)=冨田大介撮影
朝礼前に黙とうする球磨村災害対策本部の職員ら(11日午前7時30分、熊本県球磨村で)=冨田大介撮影
 九州に甚大な被害をもたらした豪雨は、熊本、鹿児島両県に特別警報が出されてから11日で1週間となった。この日は大雨が降り続く中、熊本県では犠牲者に祈りがささげられた。行方不明者の捜索も続けられた。梅雨前線上の低気圧は今後、東北地方に接近するため、12日にかけて九州北部から東海、東北の広い範囲で局地的に非常に激しい雨が降る見通しだ。
 11日午前11時現在、一連の大雨による死者は熊本県60人、福岡県2人、大分県1人の計63人。行方不明者は熊本県9人、大分県5人、長崎、鹿児島県各1人の計16人となっている。
 熊本県球磨くま村の災害対策本部が置かれている村内の多目的施設「さくらドーム」では、11日午前7時半、村の職員ら約50人が犠牲者に黙とうをささげた。午前9時頃には、球磨川の水位が上昇。村は防災無線で高台避難を呼びかけ、ドームには続々と住民が避難した。19人が亡くなった同県人吉市でも同様に避難が呼びかけられ、緊迫した雰囲気に包まれた。
 同県は11日から、人吉市と山江村で応急仮設住宅の建設に着手した。読売新聞の集計では11日正午までに、九州各県で床上浸水計6291棟、床下浸水計5720棟などの住宅被害が確認されている。
 気象庁によると、前線は15日頃まで停滞する恐れがある。12日午前6時までの24時間雨量は、多い所で東海200ミリ、九州北部と四国、関東甲信150ミリ、九州南部と近畿、北陸120ミリ、東北100ミリなどと予想されている。

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