12月16日 よみうり寸評
[読者会員限定] メモ入力-最大400文字まで 言葉の海はどこまでも深い。作家の織田作之助が〈ざっと数えて三十ぐらいの意味に使える〉と随筆に書いたのが大阪弁の「ややこしい」である◆広辞苑は〈こみいっている。複雑でわずらわしい〉で済ませているが、『大阪ことば事典』はさすがに詳しい。〈ヤヤコシイ男やなァ〉という用例ひとつとっても、〈本心のはっきりせぬ、つかまえどころのない〉…と語釈が列挙されている◆〈話の辻 つまの合わぬ〉との意味もあるというから、浮かんでくる姿がある。就任から3か月を迎えた菅首相である◆遅まきながら「Go To トラベル」の全国一斉停止に踏み切るが、「移動によって感染は拡大しない」との言を変えない。誰もが矛盾を覚えよう。感染抑止に向けた「勝負の3週間」のかけ声が空回りした現状への危機感が、これで十分伝わるのだろうか◆いまこそ持てる言葉を尽くし、コロナ対策への理解と協力を国民に呼びかけるべきときだろう。なぜ記者会見を渋っているのか、なんともヤヤコシイお人である。
言葉の海はどこまでも深い。作家の織田作之助が〈ざっと数えて三十ぐらいの意味に使える〉と随筆に書いたのが大阪弁の「ややこしい」である◆広辞苑は〈こみいっている。複雑でわずらわしい〉で済ませているが、『大阪ことば事典』はさすがに詳しい。〈ヤヤコシイ男やなァ〉という用例ひとつとっても、〈本心のはっきりせぬ、つかまえどころのない〉…と語釈が列挙されている◆〈話の
12月16日 編集手帳
先週、小松政夫さんの