2020年8月5日水曜日

「誤算で負けと思った」藤井棋聖、二冠に王手…木村王位に3連勝

王位戦第3局に勝ち、対局をふり返る藤井棋聖(5日、神戸市内で)=日本将棋連盟提供王位戦第3局に勝ち、対局をふり返る藤井棋聖(5日、神戸市内で)=日本将棋連盟提供

 将棋の王位戦七番勝負の第3局が4、5日、神戸市の「中の坊瑞苑」で行われ、挑戦者の藤井聡太棋聖(18)が木村一基王位(47)に149手で勝利した。藤井棋聖はシリーズ3連勝とし、史上最年少での二冠達成まであと1勝に迫った。

 藤井棋聖は今年7月、史上最年少の17歳11か月で初タイトルの棋聖を獲得。一方の木村王位は昨年、史上最年長の46歳3か月で初タイトルの王位を奪取した。

 藤井棋聖が先手の本局は、矢倉の戦型となった。中盤以降、藤井棋聖が攻めながら徐々にリードを奪ったが、木村王位も粘り強い指し回しで藤井棋聖のミスを誘い、一時は混戦に。秒読みの中でも冷静に指し続けた藤井棋聖が、最後は的確に寄せきった。

 終局後、藤井棋聖は「寄せにいったところで誤算があり、負けにしてしまったかもしれないと思った。これまでの将棋を反省して(第4局も)良い将棋が指せるようがんばりたい」、木村王位は「じりじりとした展開にしておけば(勝機がある)と狙っていたが、攻められっぱなしだった。後がなくなったが、(次も)いつも通り精いっぱい指したい」と話した。     第4局は19、20日、福岡市で。

爆発したレバノンの倉庫、大量の爆薬原料を貯蔵…100人以上死亡・30万人避難


4日、レバノンの首都ベイルートで、爆発により壊れた貯蔵庫(AFP時事)
4日、レバノンの首都ベイルートで、爆発により壊れた貯蔵庫(AFP時事)

 【カイロ=酒井圭吾】レバノンの首都ベイルートの港で4日夕、大規模な爆発が相次いで起き、レバノン政府によると、100人以上が死亡、在留邦人1人を含む約4000人が負傷した。当局は、爆薬の原料になる硝酸アンモニウムが大量貯蔵された倉庫が爆発したとみて原因を調べている。港は首都中心部に位置し、約2キロ・メートル先には日本大使館などが並ぶ官庁街がある。

 最初の爆発の1分後、2度目の爆発が起き、キノコ雲が立ちのぼった。爆風は広域に及び、自宅の損傷などで約30万人が避難した。在留邦人はガラスの破片で手足に軽傷を負ったという。がれきに埋もれた生存者の救出活動が5日も続いている。

 倉庫には硝酸アンモニウム2750トンが2014年から放置され、適切に管理されていなかった。ハッサン・ディアブ首相は、責任を追及する方針を示した。

東京でカラオケ参加の6人全員感染…国内、新たに1357人確認

 国内では5日、新型コロナウイルスの感染者が、38都道府県と空港検疫で新たに計1357人確認された。死者は神奈川県や愛知県、埼玉県などの7人だった。東京都は263人で、9日連続で200人を上回った。入院患者数は1475人と4日よりも90人以上増え、集計が始まった5月12日以降で最多となったが、重症者は1人減の21人だった。都によると、60歳代以上が30人と高齢者層でも感染が広がっている。感染経路は家庭内が25人、職場内が17人、会食が14人などで、カラオケに参加した6人全員が感染したケースもあったという。

 神奈川県では81人の感染が確認され、1日あたりの新規感染者数が2日連続で80人を超えた。横浜市で70歳代男性の死亡が確認され、県内感染者の死者は累計で100人となった。

 仙台市では100歳代の女性が感染。市によると、4日に感染が判明した20歳代女性が勤務する介護老人保健施設の入所者で、重篤ではないという。埼玉県では、首都高・八潮パーキングエリア(PA、八潮市)内のコンビニ店従業員など、64人の感染が確認された。

会見で2019年度の決算概要について説明する門川市長(京都市中京区・市役所)

© 京都新聞社 会見で2019年度の決算概要について説明する門川市長(京都市中京区・市役所)

 京都市は5日、市バス・地下鉄事業の2019年度決算概要を発表した。市バスは17年連続、地下鉄は5年連続の黒字を維持したものの、新型コロナウイルスの感染が広がった今年2月以降は客数が落ち込み、両事業を合わせた客数は10年ぶりに減少に転じた。客数回復の見込みは立たず、本年度以降の経営への影響は免れられない見通しだ。

 市バス事業は、2億円の経常黒字を確保した。一方で黒字幅は、全国的な運転士不足を背景にした人件費の増加や新型コロナによる客数の減少が響き、前年度の19億円から大幅に縮小した。1日当たりの客数は35万7千人で、前年度比6万7千人の減少だった。

 地下鉄事業は、前年度並みの23億円の黒字だった。1日当たりの客数は40万人と、通勤・通学客の増加により前年度比3万4千人増と好調に推移。一方で、烏丸線や東西線の建設、設備更新に伴う有利子負債は前年度から93億円削減したものの、依然として3750億円もの残高があり「全国一厳しい経営状況」(市交通局)が続く。

 年度が替わってからも状況は深刻だ。緊急事態宣言が発令された4月以降は、市が感染予防のため公共交通利用の8割減を目標に掲げたこともあり、4~6月の運賃収入は両事業合わせて前年度同期から49%(59億円)減少した。市交通局によると、7月も客数は回復していないという。

 中京区の市役所で記者会見した門川大作市長は、今後の見通しについて「回復には相当の歳月が必要で過去に類を見ない減収は避けられない」と危機感をあらわにし、「経費削減に全力を挙げると同時に市民の足を守るため、国にしっかり要望していかないといけない」と述べた。

“タレント文化人”の仲間入り ©共同通信社

 新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、感染症の専門家としてワイドショーに連日出演し、「2020年上半期TV番組出演ランキング」で、タレントを抑え、女性部門トップとなった岡田晴恵・白鷗大教授(57)。「週刊文春」4月2日号では、岡田氏が国立感染症研究所の研究員時代に執筆した、麻疹の細胞性免疫の論文についての「データ捏造疑惑」を報じたが、今回、新たに岡田氏の別の論文に関する「不適切実験」疑惑が浮上。ウイルス学の専門家としてコロナ対策の提言を続ける、宮沢孝幸・京大准教授(56)が「週刊文春」に実名で証言した。

© 文春オンライン “タレント文化人”の仲間入り ©共同通信社宮沢氏は7月上旬、関西ローカルのワイドショーに出演した際に、「(岡田氏とは)昔バトったというか、仲は悪いです」と発言。その真意を尋ねに行くと、こう語りだした。「1998年頃、私は東大大学院農学生命科学研究科の助手として、エイズウイルスを研究する学生の指導をしていました。エイズは免疫を担うリンパ球を殺し、免疫不全をすことはよく知られてますが、当時、HIV-1の中にあるNefというタンパク質がリンパ球を殺すという先行研究がありました。学生はこれに基づいて再現実験を行ったが、うまくいかない。その頃、岡田さんがネズミによる再現実験に続々と成功していると聞いたので、実験のコツや手法を教えてもらおうと思ったのです」

 感染研に問い合わせると、岡田氏の上司が対応した。

「ところが、その上司が研究室にある実験ノートを確認しても要領を得ないと言う。肝心の岡田さん本人からは反応がなく、実験の詳細や根拠は何も示されませんでした。不信感が残る対応だったのです」(宮沢氏)

「今でも実験データは正しいと考えているのか」岡田氏に尋ねると……

 岡田氏の研究は論文にまとめられたが、別のエイズ研究者はこう証言する。

「Nefタンパクが、リンパ球を殺すという学説は、学術的に認められていません。あの実験を成功できたのは世界中で岡田さんただ一人で、誰も再現できていない。また、部外からの問い合わせに対しては、誠実に対応するのが研究の世界の常識です。再現性に関する問い合わせなら尚更ですし、そこで手法や生データを示せなければ、実験自体に疑義をもたれるのは当然です」

 小誌は、宮沢氏以外の、学術的な実績のある複数のエイズ研究者に取材をしたが、いずれも同様の見解だった。

 一連の経緯について、「今でも実験データは正しいと考えているのか」など、詳細な質問書を送ったが、岡田氏は「そのような事実はありません」とのみ文書で回答し、詳細については説明しなかった。

 宮沢氏は岡田氏にこう苦言を呈する。

「新型コロナを巡り、様々な議論があるのはいいことです。ただ岡田さんには研究者としての誠実さがないと言わざるを得ません」

 8月6日(木)発売の「週刊文春」では、岡田氏が感染研に所属していた際の部長で、論文の共著者でもある田代眞人氏の対応や、新型コロナを巡る岡田氏の発言内容の問題点などについて詳報する。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年8月13日・20日号)

千葉県が再び「夜の街」休業要請へ…対策不十分な飲食店・カラオケ店

ウイルス感染の再拡大を受け、森田知事は4日、対策が不十分な接待を伴う飲食店やカラオケ店に対し、休業要請することを決めた。改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づき、8日から求める。病床確保計画も4段階中2番目に深刻な「フェーズ3」に引き上げられることが決まり、不急の一部診療が抑制される可能性が出てきた。13回目となった対策本部会議で森田知事は「大変強い危機感を持っている」と、休業の再要請を指示。接待を伴う飲食店とカラオケ店のうち、換気や人と人との距離の確保、マスク着用など業界が定めた感染防止指針が徹底されていない店舗を対象に、8日午前0時から休業を求めることにした。

 県内外でクラスター(感染集団)が相次いでいることを踏まえ、業種を絞った。

 森田知事は会議後の記者会見で「お願いを受け入れてもらえない場合、店名の公表もあり得る」と述べた。

 今回の要請は特措法24条に基づく。店名公表など強い措置を定めた45条は政府による緊急事態宣言が発令されないと適用できないため、感染症法の規定を使って公表するという。

 会議では、病床確保計画を11日から「フェーズ3」に引き上げることも決まった。病床の確保目標を、現在の500床から720床程度に、療養用のホテル客室を150から700にそれぞれ増やす。確保のめどは立っているという。

 県の久保秀一・健康危機対策監は会見で、「一部の病院で、眼科や整形外科の手術は1~2か月先送りする可能性がある」と説明した。

 臨時医療施設も設置に向け「稼働準備」の段階に入る。ただ、県が設置先として有力視していた幕張メッセ(千葉市美浜区)は広すぎて感染者の区分けが困難との課題が判明したため、別の施設を検討する。

 会議では、最新の感染状況も報告された。3日現在、直近1週間の新規感染者の平均は1日あたり46・3人と、休業再要請の目安(10人以上)を大幅に上回った。病床稼働率も54・3%に達するなど、軒並み厳しい数値が並んだ。森田知事は会見で「第2波に大変近い」との認識を示した。

大阪知事と市長「うがい薬で唾液のウイルス減った」と励行勧める…専門家から疑問の声も

 大阪府の吉村洋文知事と大阪市の松井一郎市長は4日、新型コロナウイルス感染者がポビドンヨード入りうがい薬を使用したところ、唾液からウイルスが検出される人が減ったと発表した。感染拡大防止策として、うがい薬でのうがいの励行を求める一方、買い占めをしないよう呼びかけた。感染や重症化を防ぐ効果は確認されておらず、専門家からは疑問の声も上がっている。

 川村孝・京都大名誉教授(疫学)は、「唾液中のウイルスを減らす効果はあるだろうが、感染の仕組みは複雑だ。今回の研究結果は慎重にとらえるべきだ」と指摘している。


8月5日 よみうり寸評

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 年老いた女性がつえをついて歩いていた。交通整理をしていた青年団員がその指に細い指輪を見つけた。「ちょいと、おばあさん、それは何です」◆「ようし、調べる」の声とともに女性はテントに引き込まれた。作家の内田百●が「アジンコート」という随筆に記す戦中の一コマだ◆歌人の折口信夫も異様な光景を書き留めている。桜の名所で土産物屋の亭主や宿屋の若い者とおぼしき人が道に立ちはだかり、通行人をとがめていた。〈もんぺいの柄がだて過ぎる〉等々と(随筆「花幾年」)。戦況が泥沼化するなかで質素倹約が重い規範となり、逸脱する人が過剰に責めを負った。コロナ下の「自粛警察」が重ならなくもない◆感染者や家族に私刑を加えるような中傷がネット上で繰り返されてもいる。その深刻な実態を昨日の朝刊が伝えていた。むろん戦争とコロナは別ものだ。同じ次元では語れないにしても、不寛容な空気はどこか通じる◆戦後75年の夏である。どれほど歳月を経ようとみ取るべき教訓があの時代にある。(●は門がまえに月)

 東京都は5日、新型コロナウイルスの感染者が新たに263人確認されたと発表した。1日あたりの感染者が200人を超えるのは9日連続となる。

 都によると、最近は家庭内での感染が目立っており、4日は新規感染者309人のうち31人を占めた。小池百合子知事は5日、報道陣の取材に対し、「自分の飛沫(ひまつ)や食事をするときのはし、コップに、特に高齢者とお暮らしになっている方は気をつけていただきたい」と述べた。

 都内では7月31日と8月1日に2日連続で450人超の感染が確認され、1日当たりの過去最多を更新。8月に入って1週間平均の新規感染者は300人を超えている。都は3~31日、都内全域の酒類を提供する飲食店と全カラオケ店を対象に営業時間を午後10時までに短縮するよう要請し、全面的に応じた中小事業者には協力金20万円を支給する。

 ブラジル政府は4日、累計の感染者数が約280万人、死者数が9万5000人を超えたと発表している。いずれも米国に次いで2番目に多い。

 感染拡大は政府内も例外ではなく、ジャイル・ボルソナロ大統領も7月上旬に検査で陽性となり、2週間以上の療養を経て回復した。現在は地方視察など公務を精力的にこなしているが、7月30日には妻のミシェリ夫人が陽性と判明し、隔離生活を送っている。

 地元紙グロボによると、大統領府の職員の感染も深刻で、全職員約3400人のうち、7月31日までに178人が感染した。約1か月で70人も増えたという。

特産スイカに大被害 山形の河川氾濫から1週間© 産経新聞社 特産スイカに大被害 山形の河川氾濫から1週間

 大雨により最上川など河川の氾濫が相次いだ山形県内では、収穫間近だった特産のスイカが冠水するなど、農作物にも大きな被害が出た。今年は日照不足だったこともあり、大雨との“ダブルパンチ”に、地元の農業関係者は危機感を募らせている。

 最上川の氾濫で浸水被害にあった尾花沢市や大石田町は、県内でも有数のスイカの特産地。同地域を管轄するJAみちのく村山では東部選果場(尾花沢市)、西部選果場(大石田町)の2カ所からスイカを出荷している。

 しかし、今年は日照不足に加え、今回の大雨でスイカが水没するなどの被害が出た影響で、西部選果場での出荷量は例年の2割減となる見通しだという。JAみちのく村山の井上祐さん(35)は「大雨がとどめの一発です」と肩を落とした。

 今回の最上川の氾濫でさらに懸念されるのが、スイカの「病害」だ。氾濫によってスイカが水に漬かったことで、果実や葉、茎などが腐食してしまう「褐色腐敗病」を発症。特に大石田町内のスイカ農家では褐色腐敗病による被害が多く、今後の対応に苦慮している。


© FNNプライムオンライン

最年少タイトルを獲得した藤井聡太棋聖(18)が、兵庫・神戸市で、2つ目のタイトルをかけて王位戦第3局の2日目に臨んでいる。

神戸・有馬温泉の老舗旅館「中の坊瑞苑」で迎えた、王位戦第3局の2日目。

木村一基王位(47)が4日の対局終了の際に封筒に入れた次の一手の「封じ手」が開封され、対局が再開した。

7月に史上最年少でタイトルを獲得した藤井棋聖は、すでに2勝していて、これに勝利し、史上最年少での2冠獲得へ王手をかけるのか。

それとも、迎え撃つ木村一基王位が初勝利を挙げ、反撃ののろしを上げるのか注目される。

対局の再開の1時間後には、藤井棋聖がガムシロップとミルクつきのアイスコーヒーを、木村王位はブラックのアイスコーヒーを注文した。

5日の夜までには、決着がつく見込み。

「想像以上に豪華」 大規模改装の伊丹空港が全面開業© 産経新聞社 「想像以上に豪華」 大規模改装の伊丹空港が全面開業

 約半世紀ぶりの大規模改装を進めていた大阪(伊丹)空港のターミナルが5日、全面開業した。保安検査を済ませた後のエリアの店舗を充実させ、搭乗までの待ち時間に飲食や買い物を楽しめる空間を追求した。運営する関西エアポートは、新型コロナウイルスの影響で関西国際空港の国際線が低迷する中、国内線の拠点となっている伊丹空港で集客をはかる。

 検査場通過後エリアの物販や飲食の店舗数は工事前の11から31に増加した。うち25店が、京都の抹茶や菓子を扱う店や飛行機を眺められるラウンジ・バーなどの新規出店。複数店舗を1本の通路で見て回れる回遊型の「ウオークスルー型」の設計を取り入れた。

 記念式典に出席した関西エアの山谷佳之社長は「関西らしさを残しながら、上質な空間を目指した。新型コロナウイルスと共生しながら新しい価値を提供したい」と述べた。また、兵庫県伊丹市の藤原保幸市長は「新型コロナが収束すれば、空港を活用しながら観光客に地元の魅力をアピールしたい」と歓迎した。

© 産経新聞社 「想像以上に豪華」 大規模改装の伊丹空港が全面開業

 検査場では手荷物を自動でエックス線検査機まで運ぶ「スマートレーン」を4台から14台に増設し、出発時の保安検査を効率化した。

 就職活動で北海道に向かうという奈良県香芝市の大学4年、鷲尾千尋さん(21)は「広いエリアにたくさんの店があり、想像以上に豪華でびっくり。関西各地の土産もここならそろいますね」と話した。出張などで月4回ほど伊丹空港を利用しているという大阪市淀川区の医師の男性(69)は「本当にきれいになって、コーヒーもゆっくり飲めそう。店の料理の味など、ぜひ入って試してみたい」と語った。

© 産経新聞社 「想像以上に豪華」 大規模改装の伊丹空港が全面開業

 改装は平成28年2月に着工し、総工費約320億円。30年4月の先行オープンでは屋上の展望デッキを増床し、子供の遊び場を提供する施設を設けるなどして、家族連れなど周辺住民の利用も増やしている。

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 また、県は5日午後3時半時点で、県内で新たに139人の感染が確認されたと発表した。うち名古屋市は68人。【野村阿悠子】

[STOP ネット暴力]「うちの県にコロナ持ってきた」…「感染者狩り」横行、実名特定・中傷エスカレート

  新型コロナウイルスの感染が拡大する中、インターネット上では、感染者やその家族らを特定し、中傷や差別的な内容の書き込みが繰り返されている。「感染者狩り」と呼ばれる行為だ。実際に標的となった東海地方に住む40歳代の男性が「目に見えないウイルスより、人の目の方が恐ろしかった」と胸の内を明かした。(星野達哉)

被害男性「ウイルスより恐ろしい」

しかし、発表前に<○○地域で感染者ってほんと?>などとネット上でうわさが広まり、東海地方向けのネット掲示板やSNS上には〈うちの県にコロナを持ってきた〉〈このバカな感染者は誰なんだ?〉と、子供や家族を特定しようとする書き込みも現れた。
 県の発表から数時間後。<○○病院(に入院)ってうわさがある>などと投稿され、子供や男性がまもなく特定された。その後は一部を伏せた実名とともに、2人を中傷する書き込みが相次いだ。
 〈バイオテロリスト〉〈世の中から消えてほしい〉
 その頃、政府は県境を越える不要不急の移動自粛を呼びかけていた。投稿の内容は敵意をむき出しにしたものへとエスカレートし、デマもあふれていった。
 〈スーパーで目撃情報がある〉〈毎日パチンコに通っていた〉。子供は帰省してから入院まで一度も外出していないが、根も葉もない情報が独り歩きした。
     ◎
 家族の生活は一変した。「コロナ持ち込むな。出て行け!」。自宅の留守電には2人を罵倒する言葉が吹き込まれていた。家族の感染はなかったが、なじみのスーパーや美容院から、「もう来ないでほしい」と遠回しに告げられた。外に出られなくなり、一時は食料や生活用品を親族に届けてもらって過ごした。
 子供の行動について、男性は「そこまで非難されることなのだろうか」と戸惑う。納得しがたいのは、デマを信じ込んで〈素行の悪いやつだ〉と中傷を書き込まれたことだ。
 男性は「そんな子ではないと説明したい」と訴えるが、行動できずにいる。「再びネットに中傷やデマが広がれば、家族に危害が及ぶかもしれない。黙って時がたつのを待つしかない」と悩んでいる。

「天井まで水。もうだめかも」…熊本の妹、濁流の中で兵庫の姉へ最後の電話

妹・塩崎つぼみさんへの思いを語る水口さん(7月24日、熊本県八代市で)
妹・塩崎つぼみさんへの思いを語る水口さん(7月24日、熊本県八代市で)九州豪雨から1か月たった4日、兵庫県宝塚市の水口章子あきこさん(70)は、遠く離れたふるさと・熊本県八代市坂本町で犠牲となった妹の塩崎つぼみさん(68)の冥福めいふくを自宅で静かに祈った。あの日、妹は迫り来る濁流の中で電話をかけてきたが、なすすべがなかった。今も胸に深い痛みが残る。
塩崎つぼみさん
 
4日午前7時54分。ちょうど1か月前、つぼみさんと最後の会話を交わしたのと同じ時間に、水口さんはつぼみさんの携帯電話にかけ、伝言を残した。
 「何にもしてあげられなくて、ごめんね」
 つながらないと分かっていても、かけてしまう。そんな1か月を水口さんは過ごしてきた。
 つぼみさんは5人きょうだいの末っ子。幼い頃、自転車との事故で歩くのが不自由になった。我慢強く物静かで、きょうだいの中でひとり実家に残り、歯科衛生士となった。
 十数年前に両親が他界した後は、球磨川沿いのJR坂本駅前にある商店を引き継いだ。駄菓子を買い求める子どもたちの憩いの場。熊本県益城町の兄、塩崎忠夫さん(81)が「もうけがない」と何度閉店を勧めても、「お金じゃない。誰かが来てくれるからさみしくない」と笑っていた。
 豪雨に見舞われた7月4日の早朝、1人で暮らすつぼみさんから忠夫さんや水口さんに電話があった。「タンスが倒れて、挟まれて逃げられん」「水があふれてきた」。忠夫さんは避難するよう繰り返し勧めた。
 水口さんも近隣の消防署や警察などに自ら電話をして助けを求めた。「屋根の上に避難して待っていて」と繰り返され、「妹は足が不自由。それができるなら、助けは求めない」と声を荒らげた。だが、町全体が浸水している状況で、どうにもならなかった。
 午前7時54分、水口さんはつぼみさんに電話をかけた。「天井まで水が来て息ができない。もうだめかも」。いつもと変わらない、妹の落ち着いた声。急いで切り、再び救助を求める電話をしたが、次につぼみさんの携帯電話にかけた時にはつながらなくなっていた。
 数日後、つぼみさんは居間で発見された。背負っていたリュックサックには、かわいがっていた親戚の子どもたちの写真が入っていた。布にくるまれた両親の位牌いはいも遺体のそばにあった。
 水口さんは今も、つぼみさんの写真を見るたびに涙があふれる。「まだ店に、にっこりとほほ笑む妹がいる気がしてならないんです」と声を詰まらせた。

犬のふん放置に「見ているぞ」の印…黄色チョークで囲み市民が飼い主に警告


岐阜市のPRチラシ


















岐阜市のPRチラシ 岐阜市が、路上に放置される犬のふんをなくそうと、「イエローチョーク作戦」に乗り出した。 作戦では、ふんの周りを黄色のチョークで囲み、横に発見日時を書く。その後も状況を確認。放置されたままの場合はその日時を、解消された場合は「なし」とそれぞれ明記する。飼い主に「見ているぞ」と周囲の目を意識させ、ふんを片付けるよう促す効果があるとされる。
 警告の意味を持つ「イエローカード」にならった取り組み。2016年に京都府宇治市で始まり、全国的に広がっているものの、県内の自治体としては岐阜市が初めてだ。
 実際にチョークで囲むのは犬のふんに悩む市民ら。市は届け出を受け次第、腕章とチョークを貸し出す。「飼い主にマナーを守ってもらい、環境美化につなげたい」と、市民に協力を呼びかけている。
 問い合わせは、岐阜市低炭素・資源循環課(058・214・2178)。

熱中症予防 暑さに慣れない時期は注意を


 日本列島のほとんどで梅雨が明け、暑さが本格化してきた。熱中症への警戒が必要だ。特に体が暑さに慣れるまでは、十分に気をつけたい。
 熱中症予防の原則は、こまめに水を飲み、日陰で休憩することだ。熱中症は気温以外に、湿度や日差しなども影響する。気温が高くなくても、じめじめした日は汗が蒸発せず熱が体にこもりやすい。
 屋外での活動に適さないような日は、活動を延期したり、控えたりすることも大切だ。
 熱中症への警戒度を判断するのに有効なのが、気温や湿度から算出した「暑さ指数」という国際指標だ。21を超えると注意が必要になり、31を超えると原則、運動の中止が望ましいとされる。
 環境省と気象庁は7月、この指数を基にした「熱中症警戒アラート」の制度を関東甲信の1都8県に導入した。指数33以上が予想される場合は、前日や当日朝に発令して注意を呼びかけるという。
 気象庁が気温35度以上で出す高温注意情報はこれまで、毎年十数回発表されており、深刻さが伝わりにくかった。アラートは、まだ一度も発令されていない。年間でも数回程度と予測され、より的確な注意喚起になるだろう。
 来夏からはアラートの運用を全国に拡大する予定だ。今年の成果と課題をしっかりと検証し、来年の本格実施に備えてほしい。
 新型コロナの感染防止対策で、今年はこれまでと状況が違う。飛沫ひまつの拡散防止のため、夏でもマスクを手放せない。密閉空間では、感染が起きないよう、冷房中でも部屋の換気が必要だ。
 感染対策と熱中症予防のバランスをとることが重要だ。厚生労働省は、十分な距離が取れる屋外ではマスクを外すよう勧めている。無理に着用を続ければ、熱中症のリスクが高まるからだ。
 高齢者は、コロナ感染で重症化しやすいだけでなく、熱中症にもなりやすい。暑さや喉の渇きを感じにくいためで、特に持病がある人には留意してもらいたい。
 学校の一斉休校で、夏休みは例年より短く、真夏に登校を続ける子供は多い。エアコンのない学校では一層の目配りが要る。部活動も屋内外を問わず、長時間に及ばぬよう工夫してほしい。