2020年8月5日水曜日

料理の前で電卓を持つ様子© ESSE-online 料理の前で電卓を持つ様子 食費節約の正解って?(※写真はイメージです。以下同)

節約アドバイザーが教える「食費節約」のルール


●23年前は可能だった食費1万円。現代は…?
先日、久しぶりに22~23年前の家計簿を開く機会がありました。一人暮らしをしながらも、手取り年収300万円弱で年間150万円以上を貯めていたころの家計簿です。その当時の思いもつづられていたり、現在のお金に対する考え方の土台をつくった大変貴重な記録だと改めて感じました。
とくに目を引いたのが、月の食費の予算が1万円であったことです。当時の家計簿の記録では、ガソリンがリッター89円の時代でした。当然食材費も安く、豆腐3丁105円、砂糖1キロ105円、ニラ3束で100円など、今では考えられないくらい食材を安く買うことができていました。 また当時の冷蔵庫が小さく、一度にたくさん買うことができなかったため、1回あたりの買い物は500円以内で、見切り品を取り入れながら食事をつくっていました。ちなみに米は実家から送ってもらえるため、米代は食費に含まれていません。
あれから22年以上がたち、食費1万円生活から徐々に予算が増えていき、現在の食費は米代別で小学生の子どもと2人暮らしで3万円ほどになりました。週1回の買い物で5000~6000円を目安に買い物をしています。 ありがたいことにお米や野菜は今も送ってもらえますので、これだけの予算でやりくりができているのだと思います。
時代によって物価も違えば、住む地域や家族構成もさまざま。食費の予算は各家庭によっても違ってくるのは当然です。 人によって食費節約そのものを楽しめる人、難しいと思う人、どちらもいるでしょう。でも、「自分には無理だから」と決めこまず、その家庭によって無理のない費用でやりくりしていけばいいのです。
●今、無理なく目指せる食費の予算は?
食卓に子ども2人と女性© ESSE-online 食卓に子ども2人と女性 私が、いま食費の予算の目安をアドバイスする際は、米代抜きで一人あたり2万円。4人家族で8万円+米代としています。これはあくまで基準で、場合によってはそれ以上にならざるを得ないことも場合もあるでしょう。その理由は、食材そのものの値上がりや、食材価格の地域差などがあります。また、近所に安いスーパーや業務用スーパーのあるなしでも変わります。
食は健康にとっても大切なので、最初から予算を厳しくしすぎず、かけすぎないようにすることです。また弁当のあるなし、成長期のお子さんの有無でも予算は変わるので、臨機応変に食費を捻出して、その分違う費目を抑えるとよいでしょう。
●大切なのは、決めた予算を守ること
もっとも大切なのは、決めた予算を守ることです。食費の場合は5週分に分けて、1週間ごとにやりくりをすることをおすすめします。食費8万円を1か月分まとめて持つよりも、5週に分けて週1万6000円として管理することで、偏りの少ない献立をつくることができるからです。また5週のうちの1週は数日で終わる週もあるので、その時に日持ちのする乾物や缶詰、調味料など少し値が張るものを買うなど工夫をしましょう。
1週間分の予算が余ったら、繰り越しをせずに元の予算の袋に戻しておき、週初めには新たに1万6000円の予算を持ってやりくりをします。1か月で残った食費はやりくりの成果ですので、家族で外食をしても、誕生日や特別な日のために積み立てをしておくのもいいでしょう。
●スーパーに行くときは予算と決めた食材だけを買うこと
買い物をレジャー代わりにして家族で大型スーパーへ行くと、予算オーバーしてしまいがちです。予算と買うべき食材のメモを持って、空腹時を避けて、1人で行くとムダな買い物が減るでしょう。 難しい場合はネットスーパーを利用して家にいながら、在庫と予算を確認しながら注文をするとムダを抑えることができます。家まで食材などをまとめて届けてくれるので、買い物の負担が減り、その分つくりおきおかずや下味冷凍など、下処理や下ごしらえなど調理に時間をかけることができるようになります。
食費節約には節約食材は欠かせません。モヤシ、キャベツ(白菜、大根など季節の野菜)、ニンジン、タマネギ、ジャガイモといった定番野菜、旬の野菜、豆腐、卵、鶏胸肉、豚こま肉、春雨などの乾物が定番ですが、これら節約定番食材と見切り品、セール品などを組み合わせることで、食費を抑えることができます。 これだけですと、どうしても食卓が茶色っぽくなってしまうので、あとは彩りと栄養バランスを考えて予算の中でやりくりします。
●食費節約が得意な人の特徴
パプリカを持つ様子© ESSE-online パプリカを持つ様子 食費が高い家庭の特徴として挙げられるのが、自炊の材料となる肉や野菜が少なく、加工食品の割合が多い場合や、お酒やジュース、お菓子といった嗜好品類の購入が多いことです。レシートをチェックして、1週間分の加工品や嗜好品類の出費がいくらになるのか計算をして、嗜好品類はおこづかいから出すもしくは予算を決めるといったルールを決めるなど出費を抑える工夫をしましょう。
逆に食費節約が上手な家庭は、予算を決めている、安いお店や安くなる時間帯で食材を買い分けている、買う食材は加工がほとんどされていない原材料である、ブロックや大容量の肉を買って小分けや下味をして冷凍保存をしている、冷蔵庫にある材料でなにをつくるか即興で考えられる、残った食材やおかずの使いまわしやリメイクが得意…などなど、あらゆるテクニックをもっています。
こうしたテクニックを駆使し、楽しみながら食費節約できる家庭なら、私が挙げた基準より金額を減らすことももちろん可能だと思います。
まずは、今の食費に無駄がないかを考え、食費を少しでも抑えるならば、買い物をするときに「予算を決める」「本当に必要か」と考えることなど、自分ができることから始めてみることがいいでしょう。
●教えてくれた人 【丸山晴美さん】
節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー。所持資格はFP技能士2級、宅地建物取扱主任士(登録)、調理師、消費生活アドバイザーなど。クックパッドニュースで「丸山晴美の食費節約レッスン」の連載を持つ。著書に『定年後に必要なお金「新・基本のキ」』『簡単! しっかり貯まるお金の基本』(共に宝島社刊)、新刊『50代から知っておきたい! 年金生活の不安、解消します』(幻冬舎刊)など多数

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