2020年8月5日水曜日

4日、レバノンの首都ベイルートの爆発現場で、消火活動に当たるヘリコプター(AFP時事)© 時事通信 提供 4日、レバノンの首都ベイルートの爆発現場で、消火活動に当たるヘリコプター(AFP時事)  【カイロ時事】レバノンの首都ベイルートの港湾地区で4日、複数回にわたり大規模な爆発が起き、地元メディアによると73人が死亡、3700人以上が負傷した。詳細な爆発原因は不明だが、爆薬などに使われる硝酸アンモニウムが大量に倉庫で保管されていたとみられ、火災の後で引火した可能性が高いと伝えられている。がれきの下に閉じ込められた人も多いもようで、犠牲者は増える恐れがある。
4日、レバノンの首都ベイルートで起きた爆発(AFP時事)© 時事通信 提供 4日、レバノンの首都ベイルートで起きた爆発(AFP時事)  在レバノン日本大使館によると、爆発を受け、邦人1人がガラスの破片で手と足に軽傷を負い、病院で治療を受けたという。
 トランプ米大統領は4日の記者会見で、「米軍幹部はある種の爆弾(による爆発)と考えているようだ」と述べ、攻撃の可能性を示唆したが、根拠は明示しなかった。
 現地からの映像では、白やピンク色の巨大な煙が上がり、その後の大きな爆発に伴い広範囲に衝撃波が押し寄せた。数キロ離れたベイルートの繁華街などでも激しい爆音が響き、爆風で建物の窓が吹き飛ばされ、街頭に建材の破片が散乱したり、車両が横転したりする被害が出た。
 現場では爆発から数時間たっても黒煙が立ち上り、懸命の消火作業が続いた。市民の女性は地元メディアに「これまで経験したことのない爆発で、思わず地面にひれ伏した。住むアパートが損壊し、今も耳鳴りがする」と語った。
 レバノンは今年3月にデフォルト(債務不履行)に陥るなど、深刻な財政危機と政情不安が続いている。ディアブ首相は爆発後のテレビ演説で、各国に支援を要請。さらに「被害を招いた代償を払わせる」と責任追及を進める意向を強調した。
 爆発を受け、レバノンと関係の深いフランスやイラン、さらにレバノンと外交関係を持たない隣国イスラエルなどが医療・人道支援の用意があると表明した。また、ロイター通信によると、イスラエル当局者は「われわれは爆発と関係ない」と述べ、関与を否定した。 

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