アメリカ大統領選 バイデン前副大統領当選確実 ABCテレビ

アメリカ大統領選 バイデン前副大統領当選確実 ABCテレビ

アメリカ大統領選挙でアメリカの主要メディアは民主党のバイデン前副大統領が当選を確実にしたと伝えました。バイデン氏は日本時間の午前10時から演説する予定で、結果が確定すれば民主党が4年ぶりに政権を奪還し、トランプ政権は1期4年で終わることになります。
これに対しトランプ大統領は選挙で不正があったと主張して訴訟で対抗する姿勢を示しています。

3日に投票が行われたアメリカ大統領選挙は6州で開票が進んでいましたが、アメリカのABCテレビをはじめ主要メディアは7日、民主党のジョー・バイデン前副大統領が激戦州の東部ペンシルベニアを制し勝利に必要な全米の選挙人538人の過半数の270人以上を獲得する見通しとなって、当選を確実にしたと伝えました。

バイデン氏は当選確実が伝えられた時、自宅で家族と過ごしていたということで、このあと日本時間の午前10時から地元デラウェア州で演説し勝利を宣言する予定です。

今回の選挙でバイデン氏はトランプ大統領が国民の分断を深めたと批判し団結と融和を訴えるとともに新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化した責任は大統領にあると批判して、トランプ大統領に反発する層の結集を訴えていました。

各州での開票作業はまだ続いていますが、バイデン氏の当選が確定すればバイデン氏は来年1月に第46代大統領に就任して民主党が4年ぶりに政権を奪還しトランプ政権は1期4年で終わることになります。

また副大統領候補のカマラ・ハリス上院議員は女性としても黒人としてもアメリカ史上、初めての副大統領に就任することになります。

バイデン氏声明「光栄に思う」

バイデン氏声明「光栄に思う」
バイデン氏は声明を発表し、「アメリカの人々が私とハリス氏を信頼してくれていることを光栄に思う。選挙が終わった今こそ怒りと暴言を捨てて国として団結する時だ」と述べました。

ハリス氏「始めましょう」

ハリス氏「始めましょう」
また、ハリス氏はツイッターに「この選挙ではバイデン氏と私だけでなくアメリカの魂と私たちの戦う意思が問われた。すべきことはたくさんある。始めましょう」と投稿しました。

ワシントンでは喜びの声

首都ワシントンではバイデン氏の当選確実が伝えられると、行き交う車がひっきりなしにクラクションを鳴らして祝意をあらわし、ホワイトハウス近くの広場にも大勢が集まって喜びの声をあげました。教員だという女性は「アメリカにとって素晴らしい日になりました」と話していました。

トランプ大統領声明「まだ終わっていない」

トランプ大統領声明「まだ終わっていない」
一方、トランプ大統領はバイデン氏の当選確実が伝えられた時、バージニア州のゴルフ場でゴルフをしていて、現地時間の午後3時すぎホワイトハウスに戻り、小さく右手をあげて建物に入りました。

トランプ大統領はバイデン氏の当選確実の報道を受けて声明を発表し「大統領選挙はまだ終わっていない。バイデン氏の勝利は接戦となっている州はもちろんどの州でも確定していない」とした上で、「選挙に関わる法律がきちんと執行され、本当の勝者が決まるように裁判を通じて求めていく」として、訴訟で対抗する姿勢を示しました。

トランプ大統領は郵便投票を巡って不正があったと主張していて、票の数え直しや法廷闘争となった場合、選挙結果が確定するのに時間がかかる可能性があります。

バイデン氏は11月20日に78歳の誕生日を迎え、大統領に就任すれば2017年に当時70歳で就任したトランプ大統領の記録を更新してアメリカ史上、最高齢の大統領となる一方、トランプ大統領は1992年の選挙で当時の共和党のブッシュ大統領が敗れて以来、28年ぶりに2期目の再選を果たせなかった大統領となります。

トランプ大統領の弁護士「裁判所が勝者を決める」

トランプ大統領の顧問弁護士のジュリアーニ氏は記者会見を開き、「大統領が負けを認めることはない。不正が行われているからだ。メディアが勝者を決めるわけではない。裁判所が決めるのだ」と述べて、トランプ大統領がメディアの当選確実の報道を受けて敗北を宣言することはないという見方を示した上で、訴訟を起こして対抗する姿勢を明確にしました。

CNN「勝利への道は型破りだった」

バイデン前副大統領の当選が確実になったと報じたCNNテレビは、「バイデン氏は従来型の政治家だが、勝利への道はとても型破りだった」と伝えています。
また、勝因の1つに民主党の黒人の有権者から支持を集めたことを挙げています。

ホワイトハウス近くでは喜びの声

民主党のバイデン前副大統領の当選が確実になったことが伝えられると、ホワイトハウス近くの広場には人々が集まり、喜びの声を上げました。

首都ワシントンで教員を務めるという女性は「先ほど、携帯の通知を見てバイデン氏が勝利したと知りました。アメリカにとって素晴らしい日になりました」と話していました。

隣接するメリーランド州から家族と訪れたという男性は「やっとアメリカがどんなにすばらしい国かを証明することができました。記念するべき瞬間です」と話していました。

オバマ前大統領「彼にチャンスを」

オバマ前大統領「彼にチャンスを」
歴代の民主党の元大統領たちがツイッターに相次いでメッセージを投稿しました。

このうちオバマ前大統領は声明をツイッタ-に投稿し「今回の選挙は、前例のない状況下で、かつてない数の人たちが投票した。全ての票が数えられたら、バイデン氏とハリス氏の歴史的で決定的な勝利となるだろう」と述べ、祝福しました。

また「バイデン氏は大統領に就任したあと、猛威を振るう新型コロナウイルスや民主主義の危機、気候変動リスクなど、多くの困難に直面することになる」と述べました。

そして選挙の結果がアメリカの深い分断を示しているとした上で、「バイデン氏は、彼に投票した人であろうとなかろうと、すべてのアメリカ人の最善の利益のために尽くすだろう。このため、私は全てのアメリカ人に、彼にチャンスを与え、手を貸すように促したい」と述べました。
クリントン元大統領はツイッターに、「今、私たちは、私たち全員に仕え、私たちを1つにまとめてくれる大統領と副大統領を持つことが出来た。ジョー・バイデン、カマラ・ハリス、重要な勝利をおめでとう」と投稿して祝福しました。

また、カーター元大統領は自身が設立したNGOのツイッター上で、「私と妻はジョー・バイデンとカマラ・ハリスのすばらしい選挙戦を誇りに思っているし、彼らが私たちの国にもたらすよい変化を目にすることを楽しみにしている」と書き込みました。

クリントン元国務長官「アメリカの新たな1ページ」

前回の大統領選挙で、トランプ氏と争った民主党のヒラリー・クリントン氏は7日、ツイッターに「有権者たちは話し合い、バイデン氏とハリス氏を次の大統領と副大統領に選びました。これは歴史を作る切符で、トランプ氏への否定と、そしてアメリカの新たな1ページです。実現させたすべての人たちに感謝します」と投稿しました。

共和党からも祝福の声

共和党の関係者もツイッターで祝福のコメントを投稿しています。このうちミット・ロムニー上院議員は「大統領に選ばれたバイデン氏、副大統領に選ばれたハリス氏にお祝い申しあげます。2人が善良で称賛すべき人物ことは知っています。彼らのこれからに神のご加護がありますように」とコメントしています。

また、2001年から大統領を務めたブッシュ元大統領の弟で、元フロリダ州知事のジェブ・ブッシュ氏は「大統領に選ばれたバイデン氏へ、おめでとう。あなたの成功を祈っている。いまは深い傷を癒やす時だ。あなたが導いてくれることを多くの人たちが期待している」と投稿しました。

ジェブ・ブッシュ氏は2016年の大統領選挙に向けた候補者選びで共和党から立候補し、トランプ大統領と戦いました。