コロナとインフル、1日50万件の検査可能に…全国2万4629か所で対応
厚生労働省は12日、新型コロナウイルスやインフルエンザの感染が疑われる発熱患者らに対応する「診療・検査医療機関」として、全国で2万4629か所(10日現在)が都道府県の指定を受けたと発表した。鼻の粘液などの検体採取が1日に最大約50万件でき、約54万件を抗原検査やPCR検査で分析できるとしており、流行ピーク時に必要と想定される検査数約46万件を上回る見通しとなった。 東京都は3000か所で最も多く、都内の医療機関の2割が指定を受けた。鳥取県は272か所、鹿児島県は813か所で、ともに県内の医療機関の5割が指定を受けた。一方、千葉県は346か所、大阪府は971か所で、各府県内の医療機関の1割程度にとどまり、自治体により差が出た。
厚生労働省は12日、新型コロナウイルスやインフルエンザの感染が疑われる発熱患者らに対応する「診療・検査医療機関」として、全国で2万4629か所(10日現在)が都道府県の指定を受けたと発表した。鼻の粘液などの検体採取が1日に最大約50万件でき、約54万件を抗原検査やPCR検査で分析できるとしており、流行ピーク時に必要と想定される検査数約46万件を上回る見通しとなった。
東京都は3000か所で最も多く、都内の医療機関の2割が指定を受けた。鳥取県は272か所、鹿児島県は813か所で、ともに県内の医療機関の5割が指定を受けた。一方、千葉県は346か所、大阪府は971か所で、各府県内の医療機関の1割程度にとどまり、自治体により差が出た。
11月12日 よみうり寸評
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晩秋が〈一年の夕刻にあたる〉からか。文芸評論家の寺田透は、〈もみぢ〉は快晴の夕陽 に映えた姿がもっとも美しいと書く◆『紅葉浄土』というその随想で描かれているのはカエデではない。山々を彩るナラ、クヌギ、ヌルデ、カシワ等々、雑木のもみぢである。〈ひとの心を浮き立たせるとともに引きとめ、沈思をさそふやうな効果を持つ〉らしい◆卓見だろう。たしかに公園で色づく木立をみていても、ときに物思いに誘われる。かの評論家と違って凡愚の身ながら、いまは里山が案じられてならない◆昨年につづいてドングリが凶作らしく、食物を探して人里に下りてくるクマが後を絶たない。人が襲われる被害が続出し、きのうも兵庫で女性が重傷を負った。近年、放置された里山にまで生息域が広がりをみせている現実が、相次ぐ出没の背景にあるという◆クマは本来臆病で、人を恐れると聞く。いつしか身近に生きるその生態を知り、危険を避けてうまく距離をとりたい。もみぢが映える里山の再生を願いながら。
11月12日 編集手帳
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近所の桜並木が落葉をはじめた。歩道が赤い。見上げれば、枝に残る葉もカエデのように紅葉している◆桜 紅葉 という言葉があるのを思い出した。俳人の神野紗希さんに次の句がある。<海に礼桜紅葉の艇庫から>。高校時代の作で、ボート部を詠んだという。日焼けした部員たちが練習のあと、艇庫のそばの赤々と季節を告げる桜の下で、海に礼をする――そんな景色を想像しながら、晩秋の桜を好きにさせてもらった◆桜は年2回美しくなると、東京の名所の一つ「新宿御苑」の広報で読んだことがある。もちろん1回目は春の開花である◆今年の春先、桜が花を付けはじめた頃に世の中が騒然としたのを思い出す。学校が休みになり、在宅勤務が呼びかけられ、自粛要請を受けて店という店が次々に休業し…。二度と繰り返したくないものである。東京は1日の感染者が300人を超え、4週後に600人台になるとの予測がある。きのうは大阪でも過去最多の256人となった◆感染しない、感染させない――基本に立ち返って気を引き締め直す時節だろう。春と同じになるのは、桜がきれいに色づくのみであってほしい。
11月11日 編集手帳
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11月22日が「いい夫婦の日」であることはよく知られている。そもそも11月は「いい」と読めるため、企業や団体の発案した語呂合わせ記念日がひしめく◆さる8日は歯科系の記念日が競合した。「いい歯並びの日」(日本矯正歯科学会)、「いい歯の日」(日本歯科医師会)。きのうの10日も「いい頭皮の日」や「いいトイレの日」でにぎわった。そのなかから当欄では時節柄、ある製薬会社が“制定”した「いい手の日」を取りあげる◆この場合、10をテンと英語読みする。大気が冷たく乾燥する季節の入り口で、手肌をハンドクリームで守ろうと呼びかける日だという◆北海道や東京で感染者数がじわじわと膨らんできた。怖いウイルスを暮らしから遠ざけるのに手洗いは欠かせない。かといって、やり過ぎると皮脂が落ちて肌荒れの原因になるといわれる。ふだんの年以上に、保湿剤との付き合いの深まる冬になるのかもしれない◆ちなみにきょう11日も集中日である。煙突の日、麺の日、もやしの日、箸の日、チンアナゴの日…と、1111の視覚的な面白さをヒントにした記念日が競う。どれも「いい」。
11月11日 よみうり寸評
山本周五郎の短編に、こんな台詞 が出てくる。〈もし秋だったらどんなに悲しかったでしょう。……木や草が枯れて、夜なかに寒い風の音などが聞えたら〉(「落ち梅記」)◆青々と色づいていた草木から、その色が消えてゆく。晩秋の光景に悲しみや寂しさが増すことはあっても、元気づけられるという話はあまり聞かない◆数少ない例だろう。〈秋に木の葉の落ちる時、その落ちたあとにすぐ春の用意がいとなまれ…〉と高村光太郎は随筆に綴 った。よく知られる英詩の一節「冬来たりなば春遠からじ」よりさらに早く、秋の落葉に春の萌芽 があるのだと気づかされる◆これも春の兆しと受け止められよう。新型コロナのワクチンを開発中の米大手製薬会社が、臨床試験参加者の9割超で効果が確認されたと発表した。ただし安全性などで不明な点も多く、日本で接種が始まる時期は見通せない◆実用化を待ちつつ、来たる冬をしっかり耐え抜く。その覚悟を当面は固めるしかないのだろう。思えば冬を経ずに来る春はない。
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