12月15日 編集手帳
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京都・清水寺で今年の漢字「密」が発表された。本紙「時事川柳」(東京・大阪版)の入選作にこの字を探してみると、やはり主役級の活躍をしていた◆春にまず次の作品があった。<三密を避け離れ合い助け合い>。人と人が距離を保つことが助け合いになるなんて――一種のカルチャーショックだろう。桜が咲いた頃の戸惑いを思い出す◆気温が上がってくると<三密を避けて気づけばマスク焼け>。多くの女性がお困りでした。さらに夏の暑さが迫る時節には<一密の家で熱中症になり>。作品の本意は独り暮らしの方への注意の呼びかけに違いない◆7月に開始された「Go To トラベル」には、その後を予見するかのような句が寄せられた。<綿密と緻密も避けたキャンペーン>。秋風が冷たくなる頃、感染者がにわかに増え始めた。政府が制度の設計時に停止の方法をよく考えていなかったことは、昨今の医療界との意見対立が物語っている◆ついに菅首相が急ブレーキを踏んだ。年末年始に全国一斉に停止するという。冬の密にどう向き合うか、ようやく政府から発せられたメッセージではあろう。
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