読売新聞
12月8日 編集手帳
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アルファベットの小文字「o」と「e」は親戚のようなところがあるらしい。欧州の言語に影響したラテン語に「●」という二つのくっついた字があり、フランス語にはいまだ使われている◆目下、政府の推進する「Go To」キャンペーンには見た通り、小文字のoが使われている。この夏に初めて目にしたとき、すこし間違えば「Go Te」キャンペーンにならないかと、穏やかではない連想をしたのを思い出す◆感染拡大の峠が見えない。北海道、大阪など各地で看護師不足が懸念を増している。病床はあっても、医療体制を維持する人手が足りないという◆緊急事態宣言を出すなどして第1波を抑えたあと、政府は冬場に季節性インフルエンザとコロナが同時流行する恐れがあり、それまでに万全の準備をしておくと説明していた。今まで何をしていたのだろう? 予測に反してインフルエンザの流行は来ていない。それに助けられていながら、寒気がやってくるや、自治体や医療現場からたちまち悲鳴があがっている◆後手に回るなか、なぜだろうか。なおも微妙な名を持つキャンペーンが動いている。(●はoeがくっついた字)
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