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2020年7月2日木曜日
開幕泥沼の阪神タイガース「現場」と「育成」の迷走
タイガースファンが歓喜の雄叫びをあげられる日がなかなか来ない。 白星が遠い。阪神タイガースが苦境にあえいでいる。1日の中日ドラゴンズ戦(ナゴヤドーム)も3―6で逆転負け。3連敗で2リーグ分立後では1996年以来2度目となる開幕4カード連続負け越しとなった。
この日は梅野隆太郎捕手が3回に先制ソロを放って今日こそはと期待が膨らんだのも束の間だった。4、5回と守備の乱れも重なって登板無失点中だった先発の秋山拓巳投手が6失点と大炎上。内野守備陣が凡ミスとしか評せないような適時失策を連発し、足を引っ張られるかのように秋山自身も悪送球から得点を許すなど目を覆いたくなるプレーで虎党のため息を誘った。
2日現在で2勝9敗。セ・リーグ首位の巨人とは5.5ゲーム差、借金は7に広がった。開幕戦終了後から今の最下位が定位置となっている。今季は新型コロナウイルスの影響によって開幕が遅れ、従来とは大きく異なる変則の過密日程だ。確かに阪神は開幕5カード目まで敵地での戦いが組まれているとはいえ、それは言い訳にならないだろう。
勝てない最大の要因は得点力不足
とにかく弱い。チーム成績を見ても2日現在で打率2割2厘は北海道日本ハムファイターズと並び12球団最下位タイ。22得点、63失点、防御率5.46の3部門に至ってはセ・パ両リーグでワーストだ。ほぼベストメンバーで臨んでいるにもかかわらず、結果に結び付かない。
特に低調な打線の得点力不足は深刻だ。筆頭は新助っ人の野手2人である。まずは開幕3戦目で早々と新4番失格の烙印を押され、打順降格となったジャスティン・ボーア内野手だ。開幕11試合目にして苦手の左腕から来日1号をようやく放ち、1日現在で打率2割ジャスト。この程度の働きだけでは、まだまだ不安を払拭できるわけがない。ボーアは阪神が2年越しで獲得に動いていた前ロサンゼルス・エンゼルスのMLB(米メジャーリーグ)経験者だけに、レジェンド外国人選手並みの活躍を期待され「バースの再来」などと持てはやす向きもあった。しかし現状では球団側が推定年俸250万ドルもの大金を投じた価値は見出しづらい。
同じくMLB経験者でジェリー・サンズ外野手も苦しんでいる。昨季韓国プロ野球で打点王に輝いた勝負強さとパワフルな打撃がセールスポイントのはずだったが、開幕前の練習試合で不振に陥って開幕メンバーには選ばれなかった。それでも昇格早々の横浜DeNAベイスターズ戦では相手守護神の山崎康晃投手から9回に逆転3ランを放って、2勝目をもたらすとチーム内は「さすがは韓国リーグ打点王」と手のひら返し。翌日から早速スタメンで起用されるようになったものの殊勲の逆転3ランですら「ラッキーパンチ」と揶揄されていたことを考えれば、結局はチームの流れを変えられず迷走に拍車をかけてしまっているのも無理はない。1日現在で打率1割4分3厘に沈むサンズに推定年俸110万ドルの費用対効果は「疑問符だらけ」というのが、球界有識者たちの共通見解だ。
助っ人に、日本の野球に順応する猶予を与えぬまま放置しているだけでは?
ただ、この新助っ人2人を指揮官ら首脳陣が巧みに“操縦”できていないのではないかとの指摘も実は少なくない。今季就任2年目の矢野燿大監督の起用法や采配がことごとく空転し、ボーアとサンズが日本プロ野球にまるで順応できず不振を極めているという声である。
阪神のコーチ経験者でもある有力OBの1人は顔をしかめながら「私なりに外国人選手の心情は理解しているつもりなので、少々うがった見方をあえてするが」と前置きし、次のように続けた。
「ボーアは新主砲として開幕戦から大役を任せておきながら、まったく打てないからと3戦目であっさり見切りをつけた。妥協なき決断と言えば聞こえはいいが、結局はその開幕3連戦で巨人に1勝もできず結果に結びつかなかったのだから、少なくとも起用法や采配が正解だったとは評せない。
ただでさえコロナ禍で多くの選手が難しい調整を強いられる中、異国の地でボーアもサンズもかなりメンタル面のハンディを背負っている。そのケアを首脳陣やチーム側が行っていたかは、いささか疑問だ。結果論と言われればそれまでだが、ドラスティックにボーアには開幕1カード目で主砲失格の断を下し、サンズには開幕二軍を命じた矢野監督の我慢のなさが両助っ人の胸の内を余計に焦らせ、そして腐らせてしまっている感も否めない。ここまでのボーアとサンズへのやや乱暴な起用法に対し、両者の獲得に尽力した駐米スカウトから『日本プロ野球にアジャスト(順応)させる猶予もロクに与えないまま“放置プレー”にしているのではないか』という不満が出ているとの情報もある」
実際、矢野監督の采配や起用法には負けが込んでいる背景も手伝って各方面から批判が集中している。正捕手の梅野を開幕スタメンで起用しながら、2、3戦目は日替わりでそれぞれ原口文仁、坂本誠志郎に先発マスクを被らせた球団史上初の“謎采配”も然り。
そしてボーアの主砲剥奪と同じタイミングの開幕3戦目からは昨季ルーキーとして大ブレイクした近本光司外野手を1番に据え、それまでリードオフマンだったベテランの糸井嘉男外野手を3番に、来日2年目のジェフリー・マルテ内野手を4番に持ってくるなど打線に大幅なメスを敢行している。しかしながら笛吹けど踊らずで機能していない。頼みの新リードオフマン・近本、さらに2番・糸原健斗、7番のプロ2年目・木浪聖也も打率1割台の大スランプに陥っているのが現状だ。
いくら糸井とマルテの打棒から快音が響いてもチームの今後を背負わねばならない若虎が伸び悩み、打線にブレーキをかけているとあってはベンチのムードも高まるわけがない。
育成に力を入れてこなかったツケ
別の古参OBは「本来であれば才能を秘めた若手がチーム内には数多くいるはずが、結局は中途半端なままで伸び悩む。近年のタイガースでは投打ともに、この繰り返しです。特に野手陣は壊滅的で巨大ヒエラルキーを形成しなければならない育成システムが成り立っていないと考えられます。これだけ金銭的にも恵まれた超人気球団であるにもかかわらず、生え抜きのスターがなかなか出てこない」と嘆く。
そしてこの古参OBは、ここ数年「伝統の一戦」がすっかり名ばかりとなってしまったライバル球団の育成システムを称賛しつつ古巣の惨状を嘆いた。
「分かりやすいのは、8年連続で負け越しているライバル球団の巨人との比較です。野手の主力には絶対的存在の坂本勇人、24歳の4番・岡本和真らが名を連ね、投手の先発ローテにも絶対エース・菅野智之や今季早くも2連勝をマークしている20歳の超新星右腕・戸郷翔征と生え抜き選手たちがずらりと顔を並べている。勝利を追求しながら、しっかりと自前のスター選手を育成することも怠っていない。
ところが一方のタイガースは野手で言えば未だに今年39歳を迎える糸井や43歳の福留(孝輔外野手)の移籍組や、加えて外国人選手を中心としたオーダーに頼らざるを得ない状況となっている。これは育成をロクにせず、その場しのぎの補強ばかりに奔走しているツケ。監督やチームスタッフの責任だけではなく、フロントをまとめる球団幹部、親会社も大いに反省して危機感を募らせなければならないと思います」
開幕大失速で悪戦苦闘の矢野監督には早くもシーズン途中での休養説が一部から出ているとも聞くが、仮に事実化したらチームは混迷からますます抜け出せなくなるような気がする。球団全体、そして親会社の阪急阪神ホールディングスが一丸となって生え抜きの育成にもっと心血を注ぎ、常勝軍団を作り上げる体制を整えられなければ、次に誰が指揮官を引き継ごうが同じ結果の繰り返しになってしまうだろう。
それでも開幕から2週間しか経過しておらず、まだ阪神にも十分に挽回の余地はある。2005年以来遠ざかっている「リーグV」を口にするのは現段階で少々無理があるかもしれない。だが、最後まで夢を諦めるつもりなど毛頭ない全国の虎党の思いを無駄にするような戦いは絶対にやめてほしいと願う。
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