2020年7月13日月曜日


大阪府の新型コロナウイルス対策本部会議で、黄信号の点灯を宣言する吉村洋文知事(中央)=大阪市中央区の大阪府庁で2020年7月12日午後6時34分、田畠広景撮影© 毎日新聞 提供 大阪府の新型コロナウイルス対策本部会議で、黄信号の点灯を宣言する吉村洋文知事(中央)=大阪市中央区の大阪府庁で2020年7月12日午後6時34分、田畠広景撮影  大阪府は12日、未就学児から70代の男女32人が新型コロナウイルスに新たに感染したと発表した。うち経路不明者が21人を占めたとして、休業などを要請する際の独自基準「大阪モデル」に基づき、警戒を呼びかける「黄信号」を初めて点灯
させた。同日夕には対策本部会議を緊急開催し、感染拡大の恐れがある「夜の街」を中心に対策を徹底する一方、公立学校の一斉休校や施設への休業は求めない方針を確認した。

 府によると、1日当たり32人の感染が確認されるのは5月21日に緊急事態宣言が解除されて以降で最多。府内の累計感染者数は2027人になり、2000人を突破した。府内では6月下旬以降に増加に転じた。この1週間の新規患者数は軽症や無症状が多い若者を中心に140人を超え、経路不明者も高止まりしていた。
 大阪モデルでは「黄信号」が点灯する条件として、①新規の感染経路不明者(直近7日間平均で10人以上)②経路不明者数の前週比(同2倍以上)③直近7日間の累積新規感染者数(計120人以上かつ後半3日間で半数以上)――の3指標を設定。12日の感染状況を踏まえた結果、①13・29人②2・16倍③計142人かつ後半3日間は82人――と全て基準を上回った。
 社会経済活動の維持を重視する吉村洋文知事の意向を反映する形で、モデルの基準は3日、黄信号が点灯しにくいように緩和されたばかりだった。
 吉村知事は会議で、飲酒などを伴う「夜の街」関連と若者の間で感染が広がっていると指摘。「社会経済に与える影響を最小限にしながら、ピンポイントの戦略を打つ」と述べた。
 会議では、府民に「3密」の回避を含む感染防止対策の徹底を求める方針が決まった。20代の感染が急増しており、夜の繁華街で飲食する若者には大声での会話や回し飲みを控えるよう、大学や専門学校を通じて注意を促す。対策を取っていない「夜の街」の施設の利用自粛も呼びかける。
 施設側には感染防止ガイドラインの順守や感染者が出た場合の追跡対策の導入を求めた。重症化リスクが高い高齢者への感染拡大を防ぐため、高齢者や関連施設に注意喚起する。
 通天閣(大阪市浪速区)と太陽の塔(吹田市)では12日夜、警戒度を示すライトアップが再開され、黄色のライトが点灯された。
 一方、大阪モデルでは重症者の病床使用率が70%以上に達した場合、医療崩壊の恐れがあるとして「非常事態」を示す「赤信号」がともるが、使用率は2・7%(12日現在)にとどまっている。【芝村侑美、石川将来、田畠広景】

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