『オープンCafé』は地域みんなの集いの場所です。そして情報の配信基地です。 当サイトは京都山科-勧修西野山地域の住民・自治会/町内会/子ども会の情報配信サイトで、西野山分譲住宅自治会の運営です。
2020年9月25日金曜日
ダイヤモンド・オンライン
「家事をやらない夫」を簡単に心変わりさせる方法
川口友万
2020/09/25 06:00
9月25日は「主婦休みの日」。働き方改革で国が夫婦共働きを奨励し、言われずとも現実として共働きでなければ家計が回らないシビアな現状もある昨今。子育てや掃除などの家事分担は、多くの共働き家庭で争いの火種になっているのではないか。そもそも主婦の仕事とは、家事とは何かを改めて考えてみたい。(サイエンスライター 川口友万)
アメリカと日本の男性で
家事の時間は3倍違う
昭和はとっくに終わり、夫婦共働きが当たり前になった現在、家事分担の状況はどうなっているのか。
2017年に総務省が発表した「平成28年社会生活基本調査 生活時間に関する結果」によると、2016年に6才未満の子どもを持つ夫婦の家事関連時間(育児、買い物を含む)は、1日平均で夫が1時間23分、妻が7時間34分である。
In focus
新型コロナウイルス特集など、最新情報をモバイルで
詳しくはこちら
PR Microsoft ニュース
1996年は夫の家事関連時間がわずか38分だったので、それに比べればずいぶんと改善されてはいる。
とはいえアメリカの場合、2016年の同じ家族構成での夫の家事関連時間は3時間25分、妻が6時間1分。アメリカの夫は日本の約3倍も家事関連に時間を費やしていることになる。
ただし、これは専業主婦の家庭も含めての調査結果だ。
では、共働きに限るとどのような結果になるのか。
京都産業大学経済学部・藤野敦子氏らの「労働者の生活時間配分データを用いた男性の家事、育児時間の規定要因」(http://kakeiken.org/journal/jjrhe/84/084_16.pdf)によれば、次のような結果となっている。
2007年に行われた調査によると、小学生以下の子どもを持つ男女の場合、1日の勤務時間は男性10時間19分、女性8時間59分。家事(育児を除く)は男性33分、女性3時間1分である。
勤務時間は女性の方が1時間半ほど少ないが、家事の時間は男性の実に6倍。さらに、育児の時間も男性1時間10分に対し、女性2時間6分と、女性が男性の約2倍も費やしている。
1日の自由時間は男性4時間5分に対し、女性2時間15分。仕事と家事・育児に忙しいのが女性たちなのである。
勤務が1時間減れば
家事を7分増やせる
日本の男性たちは、決して現状を良しとはしていないはず。
ところが、男性が理想とする家事時間は46分。現実の33分とほとんど変わらず、要するに共働きでも家事のほとんどを奥さんに押しつけたいということだ。
藤野氏らの分析によれば、男性の場合、勤務時間が1分減少すれば家事時間を0.112分増やすため、勤務時間を1時間減少すれば、家事時間を約7分増やすことができる。
男性の理想の家事時間46分が正当かどうかはともかく、現実との差が13分なので、就業時間を2時間減らすと理想通りになるわけだ。勤務時間の長さのツケを家庭に、正確には奥さんに回している。
さらに年収と家事時間は反比例関係にあり、「年収が1%高い場合」に「家事時間は17分程度少なくなる」のだという。
では夫の収入が2%高くなったら、夫は家事をしなくなるのかといえば、現実はそう単純ではないだろう。だが、収入が上がれば就業時間も延び、家事の時間が必然的に減っていくということでもある。
藤野氏らは「男性が外で稼ぎ、女性が家事をするといった現実的な性別役割分業の合理性が強く影響している」と分析している。
いずれにせよ、外で頑張って働き、さらに帰宅したら家事に追われる。こんな現実を知った女性たちはどのような行動をするのか。
内閣府の2014年度「結婚・家族形成に関する意識調査」では、未婚女性で「結婚しなくて良い」と思う割合は35.4%。2010年度の同調査では14%だったので、わずか4年で倍増している。
未婚の女性が結婚したくないと思うのも無理がないし、すでに結婚している主婦であれば、「主婦休みの日」でも作らなければやってられないだろう。
家事時間を増やして
死亡リスクを減少
国もこの状態を放置していいとは思っていないようだ。
男性が食事を作ることを勧める「『“おとう飯”始めよう』キャンペーン」(http://www.gender.go.jp/public/otouhan/index.html)や、男性の育児休暇取得を促す「イクメンプロジェクト」(https://ikumen-project.mhlw.go.jp/)など、男性による家事・育児を推進するキャンペーンをやっている。
だが、世の男性たちにどこまで届いているかは疑問だ。
そもそも男性の家事時間が短い最大の原因は、男性の長時間労働と低収入である。その対策をせずに「おとう飯」だの「イクメン」だのといって、果たして本当に男性が家事をすると思っているのだろうか。税金を無駄に使うだけだろう。
いずれにせよ、労働時間の短縮と収入増の妙手を考えるのは国にお任せするとして、それ以外の方法で、家事をやらない男性を心変わりさせる方法が、家事による健康効果を実感させることだ。
カナダのマクマスター大学公衆衛生研究所および医療グループのハミルトン・ヘルス・サイエンスは、世界の低・中・高所得の17カ国約13万人を対象に、肥満、糖尿病、心血管疾患などの生活習慣病とライフスタイルの関係を調べるPURE(Prospective Urban Rural Epidemiology)という研究を行っている。
これによれば、1日30分または週150分の運動で死亡リスクが28%削減され、心臓病のリスクが20%削減されるという。この場合の運動は心拍数が上がることを指していて、わざわざジョギングをしたりジムに通ったりする必要はない。調査対象者の38%は通勤、職場での活動、家事などでこの条件をクリアしていた。
床の拭き掃除や風呂場・トイレの掃除など心拍数が上がる家事を日常的に行えば、生活習慣病をかなりの部分で防ぐことができるわけだ。
体を使う家事こそ
男性が分担すべき
内閣府が2017年3月に発表した「男性の暮らし方・意識の変革に向けた課題と方策」によれば、育児も含めた男性の家事関連時間が67分に対し、「各国は150 分から200分程度と約2~3倍の差」と分析。少子高齢化社会で社会が労働力を維持していくためには男性が家事をする必要性を訴えている。そして男性の家事関連時間の目標を、育児も含めて1日150分と設定した。
冒頭で記した通り、男性が家事関連に費やす時間は1日平均1時間23分。これを約2倍の150分にするというのだ。
理想を掲げるのも結構だが、できない理想に意味はない。いきなり2倍は現実的とはいえないだろう。
男性が家事関連に費やす1時間23分の内訳を見ると、家事17分、介護1分、育児49分、買い物16分である(介護1分は感動するほどひどい数字だ)。
まずは家事17分を30分にすることから始めたら良いのではないだろうか。
例えば、家の周りの掃き掃除やゴミ捨てや風呂掃除など、体を使う家事は男性の仕事にする。買い物も奥さんと一緒に行き、荷物は全部持つ。それだけで死亡リスクが下がり、心臓病にもかかりにくくなるのだ。おまけに家庭の風通しも良くなる。
そして主婦休みの日は男性たちがいつも以上に体を使い、家事に専念する。それこそが本当の意味で「主婦休みの日」であり、夫の将来の健康と夫婦の幸せのための第一歩である。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿