先にバトルを仕掛けたのは菅氏だ。Go To キャンペーンの前倒しを推進する菅氏は感染再拡大について、「この問題は圧倒的に東京問題と言っても過言ではない」と都の対応を批判。それに対し小池氏は皮肉たっぷりに「Go To キャンペーンは冷房と暖房を両方かけるようなもの。よーくお考えになるべき」とやり返した。
すると菅氏は攻撃の“第2波”を繰り出す。キャンペーンからの東京除外を主導し、その理由を「都知事が外出自粛を求めたから」と言い切って責任を押し付けた。小池氏も引かない。「国の方でよーくご判断されたことかと思います」と嘲笑してみせた。
バトルはなお続く。菅氏は月刊誌『文藝春秋』9月号のインタビューで、〈理解に苦しむのは、都がこの間、軽症者や無症状者が療養するホテルの大半を、契約期限切れに伴って解約してしまったことです〉と“暴露”して報復に出たのである。
普段は冷静で慎重な発言で知られる菅氏だが、相手が小池氏となると途端に冷静さを失って感情をむき出しにする。
それは今に始まったことではない。小池氏が2016年の東京都知事選に出馬した際、菅氏は対立候補に元岩手県知事の増田寛也氏を擁立。「劇場型の人に大事な都政を託すことはできない」と批判を展開した。
その後の都議選で小池氏が都民ファーストの会を旗揚げすると、「ファーストじゃなくてラストじゃないか」。2017年の前回総選挙で小池氏が「希望の党」を結成し野党勢力結集を図ると、「政権獲得を目指すという政党の代表が選挙にも出ず、誰を首相にしたいのかが分からないままで投票せよというのは、極めて国民の皆さんにとってわかりにくい」とバッサリ。
対立の背景には、「地元・横浜へのカジノ誘致を推進する菅氏には、“小池氏の東京に横取りされるのではないか”という警戒心がある」(自民党幹部)といわれる。
※週刊ポスト2020年9月18・25日号
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