【独自】バス停2000か所「最も危険」、横断歩道に車体…国交省調査
横断歩道や交差点のそばに存在する危険なバス停のうち、停車したバスの車体が横断歩道にかかる「最も危険なバス停」(Aランク)が、全国で2000か所を超えることが国土交通省の調査で判明した。同省は、全国約40万のバス停について、危険度に応じてA~Cの3ランクで抽出する作業を引き続き進めており、危険なバス停の総数が大幅に増えるのは確実だ。危険なバス停を巡っては、横浜市の小学5年の女児が2018年8月、横断歩道を塞いで止まったバスの後方から道路を渡ろうとして、対向車にはねられ亡くなった。国は昨年9月以降、全国の全てのバス停の危険度を調査しており、その結果が判明するのは初めて。
国交省は危険なバス停について、(A)バスの車体が横断歩道にかかり、対策の優先度が最も高い(B)横断歩道を塞がなくても、車体が交差点にかかる(C)交差点の前後5メートルの範囲に車体がかかる――の3ランクに分けるよう全国の運輸支局に指示した。その結果、Aランクのうち、車体が横断歩道にかかるバス停だけで2000か所を超えた。
国交省は、バス停周辺の信号機などの交通環境を踏まえて精査を進めており、数は増減する可能性がある。戸崎肇・桜美林大教授(交通政策)は「最も危険なバス停だけで2000か所を超すのは驚くべき結果だ。その数だけ事故リスクが潜んでいることになり、行政機関は移設などの安全対策を速やかに講じるべきだ」と指摘する。
◆危険なバス停=横断歩道などのそばにあり、停車したバスの車体が周囲に死角を作って交通安全上の危険を生むバス停。読売新聞は昨年8月、全国のバス協会などに取材し、少なくとも16都府県の計441か所が判明した。ただ、30超の協会は「把握していない」と回答し、国が全てのバス停の調査に乗り出していた。
移設など1年で114か所
一方、危険なバス停の移設は各地で始まっているが、移設先の地権者らの合意を得る難しさも浮かぶ。
読売新聞が先月、民間バス会社などが加盟する47都道府県のバス協会などに取材すると、少なくとも計14都府県の114か所のバス停が昨年9月以降に移設または廃止されていた。
移設などを実施したのは、神奈川県(32か所)が最も多く、長崎県(26か所)、東京都、京都府(ともに13か所)と続く。ただ、10協会が「対策を講じていない」、21協会は「把握していない」と答えた。
移設の課題を複数回答で問うと、「新たな候補地探し」(57%)、「地権者の了解」「移設先付近の住民の了解」(ともに55%)といった回答が相次いだ。
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