喜界町(喜界島)の宿泊施設「ぎなま荘」の宜名真(ぎなま)孝子さん(59)は、朝日新聞の取材に「風が強く、雨戸がガタガタと鳴りっぱなし。客間も揺れている」と話した。周辺は停電し、民宿は自家発電に切り替えた。2人の従業員が前日から泊まり込み、30人の客に対応しているという。「夜の台風でなく日中だったので、気持ちは少し楽でした」
同町のNPO役員、得本拓さん(66)宅ではバナナの木が倒れた。「特産の白ゴマの収穫時期なので被害が心配だ」。島では2日前から多くの家屋が窓にベニヤ板をはるなどし、避難所に身を寄せた人も例年の台風より多いという。
奄美大島南西部の瀬戸内町に住む里ゆかりさん(64)によると、正午過ぎからゴォーッと強い風が吹き始めたという。「台風の中心から離れているから大丈夫かなと思っていたら、とんでもない。家が揺れている感じがする」
停電で、ついたり消えたりするテレビで情報を集めながら、家の中でじっとしている。庭のバナナの木はすべて倒れた。雨は強くはないが、夜に満潮時間を迎えるため、高潮も心配だという。
島西部の宇検村に住む後藤義仁さん(45)は前日から、自宅近くで妻が営む軽食店に家族で避難した。雨戸を閉め切っているため、外の様子は詳しくわからないが、「ゴーゴーという風の音がすごい。雨も強いだろうが、その音が聞こえないほど」。近所の人たちの多くが5日から村の施設に避難したという。村に10年以上暮らすが、「島の人々がこんなに早く避難するのは珍しい」と話した。(高木智子、宮野拓也、渡辺純子、横川結香)
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