7年ぶりの続編となる今作も同じく池井戸氏の小説「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」が原作。半沢は大和田常務(香川)の不正を暴き“倍返し”したものの、子会社・東京セントラル証券へ出向。IT業界の雄・スパイラルの買収をめぐり、親会社・東京中央銀行との全面戦争に突入した。半沢は大手IT企業・電脳雑伎集団の粉飾を突き止め、銀行の証券営業部長・伊佐山(市川猿之助)らに“倍返し”。銀行本店に返り咲いた。それも束の間、今度は破綻寸前の巨大航空会社・帝国航空の経営再建を任され、国家権力という巨大な敵と闘うことになる。
第6話は、帝国航空の経営再建をめぐり、半沢は政府による500億円もの債権放棄の要求を拒否。政府に楯突く半沢の態度に怒り心頭の白井国交相(江口のりこ)が、刺客として検査官の黒崎(片岡愛之助)の銀行に送り込む。金融庁の緊急ヒアリングが始まり、重大なミスが発覚し…という展開。
佃が演じたのは、東京中央銀行審査部次長・曾根崎。審査部の担当だった帝国航空の再建を半沢に横取りされたと逆恨みし、事あるごとに半沢の行動を妨害。帝国航空財務部長・山久(石黒賢)にミスを負わそうとしたが、半沢に暴かれ、土下座した。
佃は1986年、名城大学演劇部を中心に結成された「劇団B級遊撃隊」を主宰。作・脚本も手掛け、06年には劇団第55回公演「ぬけがら」が“演劇界の芥川賞”と呼ばれる第50回岸田國士戯曲賞に輝く演劇人。“土下座の第一人者”大和田役の香川照之(54)も自身のツイッターで「第6話、ついに土下座が炸裂しました。曾根崎役、名古屋で劇団を主宰する佃典彦さんは1日中、あの長いシーンを何度も繰り返し撮影したのに、ただのひと言もセリフを間違えませんでした。もちろん堺さんも…お二人の完璧さに脱帽」と絶賛した。
インターネット上にも「佃さんのことは失礼ながら初めて見ました。しかし凄い演技力!よく見つけてきたなー、こんな素晴らしい俳優さん!」「日本の演劇界も、それも地方の演劇界も凄い才能があったのだと改めて思った。舞台で鍛え上げられ、勝ち残ってきた本物の俳優か。これをきっかけに舞台にも関心持ってもらい、コロナを乗り越えて演劇の世界が活性化することを願います」などの書き込みが相次いだ。
前作、検査官・黒崎が“当たり役”になった歌舞伎俳優の片岡愛之助(48)は「片岡愛之助という存在を世に知らしめてくれたドラマ」と自身の“転機”の1つと位置付ける。クリーンなイメージのミュージカル俳優・石丸幹二(55)を悪役に起用。今や売れっ子の滝藤賢一(43)もブレイクした。
チーフ演出の福澤克雄監督(56)も前作公式サイトのインタビューで「(伊與田英徳プロデューサーが)(“机バンバン”の)小木曽役に緋田康人さんを連れてきた時には『この人は本当に嫌われるな、最高だな』と感じました。黒崎は一歩間違えたら弾かれると思ったので、よし、伝統芸能の歌舞伎の人にお願いしよう、と片岡さんだけは僕が直接電話でお願いしました。ああいう世界の人が相手だと、なかなか文句を言えなさそうじゃないですか(笑)」などと語っている。
今作も、歌舞伎俳優の市川猿之助(44)が「詫びろ」8連発の伊佐山役を怪演し、絶大な存在感。“いい人”イメージの筒井道隆(49)をヒール役に起用し、話題を呼んでいる。第5話(8月16日)には、ともに劇団「そとばこまち」出身の山西惇(57)八十田勇一(55)、「劇団☆新感線」の粟根まこと(56)も登場。“関西小劇場祭り”となった。
終盤へ向け、さらなる“サプライズ起用”があるのか、期待が高まる。
0 件のコメント:
コメントを投稿