9月6日 編集手帳
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伝説的な米国のギタリスト、ジミ・ヘンドリックスが世を去り、今月で50年になる。革新的な演奏はロック好きの胸を熱くさせ、ジミヘンの略称で愛されてきた◆ジミヘンは昔からジミヘンだが、昨今は4音の略語が増えた気がする。顕著なのはゲームで、ドラクエ(ドラゴンクエスト)、パズドラ(パズル&ドラゴンズ)など。若者言葉だと、今や胸が熱くなるのも「胸熱 」だ◆なぜ4音が多いのか。日本の韻律は元来4拍子という説がある。「サイタ サイタ サクラガサイタ」は3・3・7音だが、実は「サイタ」の後にひと息入れる。休止を考慮すると、基本は4拍子なのだと。それで4音が耳になじむのかもしれない◆もっとも、時に略語は妙な意味を帯びる。大人気のゲーム「あつまれ どうぶつの森」は「あつ森」。おじさん世代には、つけ麺を温かい状態で出してもらう「あつもり」と紛らわしい◆何かと4音の風潮に倣うなら、告示を控える自民党総裁選はジミソウだ。派手なのは派閥の動きばかりで、候補者さえ霞 ませかねない。日本の針路を語って、「胸熱」のフレーズはまだ聞こえてこない。
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