2020年7月6日月曜日

7月6日 よみうり寸評



 東京都知事選で再選が確実と報じられても、小池百合子氏は万歳をしなかった。「コロナ禍の真っただ中」だからと理由を語っている◆仮にコロナ禍がなくても万歳には違和感を抱く向きがあったろう。記録的豪雨に襲われた熊本などの惨状が朝から次々とテレビに映し出されていた◆亡くなった人や心肺停止の人、行方不明の人は6日午前時点で約50人に上る。避難所では感染防止にも心を配らねばならず、雨はなお降りやまない。息を詰めて現場の中継を見つめる時間が続く◆5日は九州北部豪雨から3年の日でもあった。西日本豪雨からは6日で2年である。幾度襲来を重ねても自然は牙をむくのをやめない。一昨年は大阪や北海道を地震も襲った。当時の本紙時事川柳欄(東京版)に一句がある。〈揺れもせず豪雨も降らぬ首都不気味 岩立安巨〉◆コロナ対策が争点となった戦いを制した小池氏だが、まさしく真っ只中の問題だけに危機管理力への評価が定まるのはこれからだろう。危機がコロナにとどまる保証もない。

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