2020年8月23日日曜日

米カリフォルニア州のボニードゥーンで21日、火元を取り除く消防士たち=AP© 朝日新聞社 米カリフォルニア州のボニードゥーンで21日、火元を取り除く消防士たち=AP  米カリフォルニア州で山火事が急速に拡大している。西海岸を熱波が襲うなか大規模な雷が発生して山火事を引き起こし、記録的な面積が焼失している。市民4人が犠牲になったほか、すでに12万人近くが避難を余儀なくされている。
 「今回起きている火事のうち二つは、その規模でおそらく州の近代史でも20位以内に入るものだ」
 同州のニューサム知事は21日の会見でこう言って警戒を呼びかけた。
 米西海岸では熱波の影響で猛暑が続き、カリフォルニア州東部のデスバレーでは16日、世界で89年ぶりとなる54・4度の気温を記録。大気が不安定になって15日から大規模な雷が発生し、同州北部を中心に約1万2千もの雷が落ちた。
 乾燥していたところに雷が山間部に落ちたことで500以上の山火事が発生し、このうち20カ所以上で大規模な火災となった。すでに東京都の面積の1・4倍に当たる約3100平方キロの面積が焼失。市民4人と、消火活動に当たっていたヘリコプターの操縦士1人の計5人が犠牲になっている。
 世界各地で乾燥した気候が報告されるなか、オーストラリアでは昨年9月から今年3月にかけて大規模な森林火災が発生し、住民や野生動物などにも大きな被害が出た。カリフォルニア州でも2018年に大規模な山火事が起き、80人以上が犠牲になっている。(サンフランシスコ=尾形聡彦)

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