2020年9月17日木曜日

 

© All About, Inc. 年金の扶養に入ることのできる収入や年齢などの条件を確認してみましょう。

社会保険(厚生年金と健康保険)と税金では配偶者扶養の条件が異なる!

社会保険とは、厚生年金と健康保険のことを指します。社会保険の扶養の条件は、所得税・住民税の条件とは異なります。

厚生年金被保険者(加入者・第2号被保険者)に扶養されている妻は第3号被保険者といわれ、本人(20歳以上60歳未満)の収入が130万円未満と今後見込まれるなら、国民年金の保険料を支払った扱いになります。健康保険については本人が20歳以下でも同様の扱いになります。

所得税・住民税は、前年分の会社員本人と配偶者の所得を元に、配偶者控除・配偶者特別控除額を計算し、税金を差し引いた上で、会社員に給与を支払います。会社員本人と配偶者の所得および配偶者が扶養の基準を満たされているかについては、年末調整や確定申告で確認されます。

一方の社会保険は、主に今後の収入が130万円未満(60歳以上の配偶者または障害3級以上は180万円未満)と見込まれることを基準に、扶養されるかが決まります。

つまり、扶養されるかの基準は、以下のように決まっています。

・社会保険:今後の収入が130万円未満(60歳以上の配偶者または障害3級以上は180万円未満)と見込まれることが基準

・税金:年末までの1年間の収入を基準に、翌年の税金に反映される

社会保険で配偶者が扶養に入るには届出が必要

厚生年金被保険者(第2号被保険者)に扶養されるようになった配偶者(妻)は、健保の被扶養者、第3号被保険者になる届出を夫の勤務先にしなければなりません(平成14年4月より)。主に次の場合です。

・退職等で妻本人の今後の収入が130万円(60歳以上または障害3級以上は180万円)未満と見込まれるとき。ただし、失業給付を受けている間は、健康保険・厚生年金で被扶養者になれません。

・扶養された妻が20歳未満のときは、健康保険の扶養だけになり、20歳になったら厚生年金と健康保険、両方の扶養になります。

・扶養された妻が60歳になったら、厚生年金の扶養からははずれ、健康保険の扶養だけになります。

・健康保険の被扶養者・第3号被保険者になるのは、妻だけでなく同じ要件を満たせば夫も可能です。

社会保険で配偶者が扶養から外れたら、本人が「種別変更」手続きを

第3号被保険者(妻が多いが夫も可)が次に該当したときは、自分で国民年金保険料を支払う「第1号被保険者」への種別変更の手続きが必要です。本人が住所地の市区町村役場へ届け出ます。

・厚生年金加入中の夫(妻も可)が退職したり、死亡したとき。

・厚生年金加入中の夫(妻も可)が65歳になったとき。

次の場合は、夫の勤務先を通して日本年金機構に届出をします(平成26年10月より)。

・離婚したとき。

・収入が年130万円以上になり、第3号被保険者ではなくなったとき。

第3号被保険者から第1号被保険者への届出がもれていた場合

収入が増え、本来第1号被保険者になっているはずなのに、第3号被保険者と年金記録が管理されていた期間を「第3号被保険者記録の不整合期間」といいます。この不整合期間がある人に対して、日本年金機構から不整合期間を第1号期間に正しく直した年金記録のお知らせがいっています。

不整合記録がそのままになっていて老齢基礎年金をもらっている人については、今までもらっていた年金額の10%までを上限に、平成30年4月分以降(6月15日以降支払い)の年金額が減額になっています。

年金を受給している人の妻はどうなる?

一部の公務員を除いて、年金をもらうようになるのは60歳以上が大多数です。年金受給者でも60歳から64歳までの厚生年金被保険者なら、60歳未満の配偶者の年収が130万円(障害3級以上は180万円)未満等の要件を満たせば社会保険の被扶養者にすることができます。

年金受給者である夫が65歳になると厚生年金被保険者でも、配偶者は第3号被保険者ではなくなります。妻は60歳までの間は第1号被保険者となり、国民年金保険料を自分で支払わなくてはなりません。

ちなみに年金版の家族手当、加給年金をもらう条件は、厚生年金被保険者に扶養される第3号被保険者の条件と異なり、妻(夫も可)の収入要件は年収850万円未満です。年収130万円(60歳以上または障害3級以上は180万円)未満ではありません。ずいぶん高い収入基準ですね。

夫(妻も可)の厚生年金期間は20年以上必要で、妻(夫も可)の厚生年金期間は20年未満等、加給年金をもらえる条件は他にもあります。

令和2年4月より被扶養者の認定基準に「国内居住」が新たに追加された

令和2年4月より被扶養者の認定基準に「国内に居住していること」が新たに追加されました。ただし日本国籍を有しておらず「特定活動(医療目的)」「特定活動(長期観光)」で滞在する人は被扶養者にはなれません。

例外的に、海外に住所があっても外国に赴任する第2号被保険者に同行する者(ビザ、海外赴任辞令、海外の公的機関が発行する居住証明書の写し、等の提示が必要)などは所得要件などを満たしていれば、被扶養者になれます。

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