大破した飲食店から10メートルほど離れた新聞販売店従業員の斉藤大輔さん(44)は、店で休憩中に突然「ドーン」という大きな音がし、目の前が真っ白になったという。同じ店内にいた同僚の40代の女性が落下物でけがをしたため、救助に当たった。女性はドクターヘリで医療機関に搬送された。
近くに住む男性は自宅にいたところ、爆風の影響で家の窓ガラスや網戸が破損した。驚いて外に出ると、爆発が起きたとみられる店舗は既に骨組みしか残っていなかったという。「突然どすーんと音がして体を揺さぶられた。震度4、5ぐらいの地震のように感じた」と驚いていた。
当時、テレビを見ていたという近所の70代の女性は「突然ものすごい音がして、自宅のガスが爆発したのかと思った」。近隣住民の多くは現場の様子を見に店の周辺に集まっていたというが、自身は周辺の安全を確認した後は自宅にいた。「店は何年も前からあったので2、3回ほど利用した記憶はある。突然こんなことが起きて、どういう状況になっているのかさっぱり分からない」と困惑していた。
現場から400メートルほど離れたところに住む70代の女性は「コーヒーをいれようと思ったら上から大きな音がしてガラスが揺れたので、隕石(いんせき)が落ちてきたのかと思った。ニュースで爆発と知ったが、怖かったので様子も見に行かなかった」。近隣に住む男性(64)は、大きな衝撃音がして自宅が一瞬揺れたと語り、「外に出ると、白っぽい煙が出てごみのようなものが舞い上がっていた」と振り返った。
福島銀行(福島市)によると、事故現場から約100メートルの場所にある開成支店は出入り口の自動ドアが割れた。事故当時は客は行内におらず、従業員にもけがはなかった。広報担当者は「停電でATM(現金自動受払機)も使えない状態のようだ。従業員の避難を進めている」と語った。爆発があったとみられる店舗の向かいにある東邦銀行(福島市)の支店では、客と従業員で計4人のけが人が出た。午前7時からATMが利用できたといい、店内にいた従業員20人程度は近くの公園に避難させたという。【李英浩、長屋美乃里、遠山和宏】
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