「月1回の定例会は4月を最後に開いていないし、再開には踏み切れない」。京都府亀岡市内のカラオケサークル「心友(こころのとも)」主宰で、サークル19団体でつくる亀岡カラオケ連合会の会長、永田隆さん(71)=千代川町=は、ため息をつく。仲間と歌うのは健康維持にもつながると活動してきたが「高齢者は感染リスクも高くワクチンができるまでは難しいかも。かといって、家にじっとしていても健康に良くないんですが」。今年41回目となるはずだった7月の「亀岡カラオケ歌謡フェスティバル」も中止した。
南丹地区カラオケ連合会が5月に予定した恒例のフェスティバルも中止となった。大谷直彦会長(78)=南丹市園部町=は「4月末で閉じた店もある。今後の感染状況が見通せず、厳しい状況は続くのでは」と話す。
カラオケを巡っては近年、ストレス改善や口腔(こうくう)内機能改善、認知機能低下予防などへの効果が企業や大学の研究で確認されている。
70~90代の客が中心という亀岡市中矢田町のカラオケスタジオ「つどい」。経営する堂本美智子さん(66)は、歌うことで認知症の症状が改善したり、スタジオまでの階段を一人で上がれるようになったケースを目の当たりにしてきたという。
約3カ月の休業を経て7月3日、営業を再開。消毒液やマイクカバーを設置、ソファを1席ずつ区切る透明抗菌シートの仕切りも自作した。換気のため1時間おきに休憩時間を作り、業務用扇風機2台で空気も入れ替え、「考えられる限りの対策はしています」。家族が心配して引き留めることも多いといい、「店側もしっかり対策していることを知って」と願う。
カラオケ業界3団体は、感染症の専門家らとともに感染拡大予防ガイドラインを策定しており、「ガイドライン以上の対策を行う店であれば、高齢者でも安心して歌える」(全国カラオケ事業者協会)としている。
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