一人一律10万円の特別定額給付金や、困窮学生のための政府の緊急給付金も申請。6月末にやっと支給されたが、「今後、感染の第2波、第3波が来ることを考えると、安心できない。周りには自分以上に困り、明日の生活を心配する友人もいる」と不安を口にした。
前期の講義科目は全てオンライン授業になった。ようやく慣れてきたものの、毎日大量の課題をこなすのに必死だ。引きこもりがちな生活でストレスもたまり、精神的に「しんどくなってきた」とも話す。「毎日キャンパスで友人に会うことで刺激をもらい、頑張れていたんだな」と、「当たり前」だった日常の尊さを実感している。
異国の地での「緊急事態」に、外国人留学生らも不安を抱えながらの生活が続く。昨年9月から奈良教育大で学ぶマレーシア出身のシャロン・クアン・ジアイーさん(23)もその一人だ。寮にこもる毎日は、「まるで春休みがずっと続いているよう」とジアイーさん。日本の文化や生活を体験したいと猛勉強してつかんだ留学だった。大学内外で日本語を話す機会もめっきり減ったといい、「人と人とのつながりが弱くなっているのを感じる。とても良くない」と肩を落とす。
留学生の身の回りの世話や学習を支援する同大3年生の嶋田智沙恵さん(20)は「勉強や生活のサポートもいつも通りにはいかず、心配だ」と案じる。自身も秋から予定していた上海への留学が中止になり、悔しい思いをした。「一生に一度しかない留学。大学側の大変さもわかるが、代替策を検討するなどもう少しフォローがほしい」と話した。
基金設立や食費補助の動きも
各大学は、キャンパスへの立ち入り禁止やオンライン授業の実施といった感染防止策を講じるだけでなく、生活に困窮する学生を支援する基金の設立など、経済的な支援にも乗り出している。
天理大や帝塚山大は、オンライン授業に欠かせないWi-Fiの設置など学習環境の整備費として、全学生に一律3万円の支援金給付を決定。天理大は15日時点で2625人に、帝塚山大は6月末に全学生約3700人に、それぞれ給付した。
奈良女子大は学生を経済的にサポートする「奈良女子大学なでしこサポート制度」を設立。OGなどから寄付を募ったところ、これまでに約1000万円が集まった。コピー代など学習に必要な資金や生協弁当の半額助成、大学でのアルバイトの機会創出などに充てているという。
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