片づけてくれない家族に困っていませんか?
コロナ禍でお家時間が長いから「片づけをしよう!」と意気込んだのに家族が協力してくれない!せっかく家事のルールを作ったのに家族は見て見ぬふり!というお悩みを相談されることがあります。片づけのプロとして多くのお家の片づけをサポートしている著者が、片づけに協力してくれない家族にありがちな返事と、それらに効果的な片づけのアプローチ法を3つご紹介します。
1. 「別にこのままでいいのだけれど……」と言う家族
せっかく片づけようとしても、家族が「別にこのままでいいのだけれど……」「なぜ片づけなきゃいけないの?」と言い、片づけることに協力してくれないことがあります。これは“困っていることが伝わっていないケース”です。そんなときは「片づけなさい!」という声がけではなく、片づけないことで、今こういうことに困っていると具体的に伝えるようにしましょう。
声がけのタイミングも大切です。何もない日常でいきなり「さあ、みんな片づけよう!」とお母さんが張り切っても家族にスルーされてしまいます。ここはグッとこらえてチャンスをうかがいましょう。
そして、子供が学校に提出しなくてはならないプリントを紛失した!というような事件が発生したときがチャンス! ここで片づけを促しましょう。そうすれば今困っていることを理解し、解決する気持ちになってもらえますね。
もうひとつ、困っていることを伝えた上で「片づける以外でいい方法があったら教えて?」と質問返しするのも手です。片づけは困っていることを解決する手段のひとつなので、片づけなくてもルール化で解決するならそれもアリです。
2. 「えー片づけるなんて面倒!」と言う家族
今こそチャンス!と片づけを促しても、「えー片づけるなんて面倒!」と言われることがあります。これは“片づけの効果がわかっていないケース”です。
本来片づけとは、面倒を改善するものであるはずなのに、面倒だから片づけたくない、と発言するということは片づけの効果を知らない証拠。
そんな家族に、部屋全体という大きなエリアの片づけを依頼するのは逆効果。嫌々片づけ始めて、結局モノを隅に寄せただけなど小手先の対応をされることもあります。こちらが期待しているレベルの片づけではない!などと、さらに言い合いになってしまうのは目に見えていますね。
そこで、日常生活で「面倒」という言葉が聞こえたら、“面倒を片づけで解決するシーン”を実感してもらい、片づけの効果を体感してもらいましょう。
例えば、ドライヤーのコードを毎回巻くのが面倒なら、コードを巻かずに収納ボックスに放り込むだけの放り込み収納にしてみるのはいかがでしょうか。
他にも、毎日飲む薬はグラスの横にセットしておく、というのも分かりやすいですね。
ひとつひとつの工夫の積み重ねが、最終的にモノを定位置化させ、暮らしをラクにしてくれる、それがお片づけだなのだと感じてもらいたいですね。
3. 「はーい」と言うが、行動が伴わない家族
返事はするけど、置きっぱなし……これもよくご相談を受けます。“せっかく工夫したり仕組みを作っても家族の生活習慣が変わらないケース”です。
そんなときは、家族の動きをよーく観察し、今の生活習慣の動線をできる限り変更しないように仕組みを提案するとうまくいくことが多いです。
例えば、帰宅と同時にランドセルをいつも放り投げる場所があるなら、その場所にランドセルを置く収納を作るのはいかがでしょうか? 具体的には、放り投げる場所にコマ(キャスター)付きの収納カゴや収納ワゴンを置いておく、ランドセルをつるすようなフックを取り付けて置くのもよいですね。
何をやってもうまくいかない、という場合は、一緒にルール作りを考え、本人の「これならできる!」という意欲を引き出すようにしたいですね。
ご紹介した3つの解決法を使って……
例えば夫が帰宅後、会社のバッグをポンとリビングの床に置いてしまう、ということを改善したいとしましょう。▼1. なぜ片づける必要があるのか?を具体的に伝える・床に置いたままだと、子どもがバッグの中身を勝手に触ってしまって危険
・床に置いたバッグが倒れて中身が出たとき、ルンバが吸い込んでしまう可能性がある
・床に置いてしまうと、バッグの底に付いた汚れがフローリングについてしまうので困る
▼2. 片づけるとこんないいことがあるよ!を伝える床に置いたままだと、中身を取り出すときにかがまなければならない。でも、腰高の位置に置けば立ったままでも中身を確認できるし、取り出しやすくなるよ!と提案
▼3. 一緒に解決策を考えるいつもバッグを置いてしまう場所の上にフックをつけるのでひっかけ収納するのはどう? もしくはバッグにバッグハンガーをつけておき、カウンター部分にハンギングするのはどう?といった具合です。
返事別アプローチ法を使って片づけを促し、家族みんなが片づけ体質へと変わっていくと嬉しいです。
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