2020年8月2日日曜日

キャンプ中に笑顔を見せる阪神の藤浪晋太郎=今年2月(C)朝日新聞社© AERA dot. 提供 キャン新聞社プ中に笑顔を見せる阪神の藤浪晋太郎=今年2月(C)朝日
 近年輝きを失っていた阪神の藤浪晋太郎に「らしさ」が戻ってきた。今季2度目の先発となった7月30日のヤクルト戦(神宮)で、7回を投げて被安打8で4失点(自責点1)。七回に味方の拙守に足を引っ張られて3点を失ったが、右腕を目いっぱい振った150キロ超の直球、カットボール、フォークで10奪三振と力強さを感じる投球内容だった。
 ヤクルト打線は8番打者の西田明央を除き、スタメンに名を連ねた8選手が左打者だった。藤浪は右打者の内角にすっぽ抜ける球が最大の課題とされていたため神経をすり減らさなくて良かったことも、今回の好投の要因だった可能性がある。
 ただ、荒れ球が悪いとは言い切れない。この日も左打者の外角を狙いながら内角に入る逆球はあったが、打者は速球に差し込まれてファウルになるケースが見られた。
 昨年は入団以来初の未勝利。今年3月に新型コロナウイルスに感染し、5月には練習に遅刻して2軍に降格した。阪神の担当記者は力説する。
「藤浪も期する思いが強いでしょう。荒れ球が取り沙汰されますが、活躍していた時期も制球は良くなかった。問題は腕が振れなくなり、球を置きにいくことです。死球にさえならなければ、コントロールが少々アバウトでも、あれだけの球威なら簡単に連打は浴びません。今年は投球フォームに躍動感が戻って投球内容もいい。リーグ優勝を狙う上で藤浪の活躍は不可欠です」
 新型コロナといえば、開幕前に感染が発覚した巨人・坂本勇人も試練が続いている。左脇腹の違和感で7月9日の阪神戦(甲子園)を欠場するなど体調は万全でなく、打率は2割台前半に低迷していた。しかし、30日のDeNA戦(東京ドーム)では今季3度目の猛打賞をマーク。巨人は首位を快走しているが、攻守の軸である坂本が上昇気流に乗らなければ厳しい。他球団のスコアラーは警戒を緩めない。
「実績のある選手だし、ケガさえなければ必ず調子を上げてくるでしょう」
 坂本と共に開幕前に感染が確認された大城卓三は打率3割を超え、好調を維持している。藤浪、坂本、大城……。感染した3人がチームの命運を握ることになりそうだ。(梅宮昌宗)

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