梅雨前線が停滞した影響で九州北部は7日午前、非常に激しい雨が降り続いた。河川の氾濫などが起き、読売新聞のまとめでは、同日正午現在、福岡や長崎、熊本など5県で計約136万人に避難指示が出された。福岡県では死者1人が確認されたほか、4日の豪雨では熊本県では49人の死亡が確認されている。熊本、鹿児島両県によると計12人が行方不明になっており、捜索活動が続いている。
九州北部の雨について、気象庁は6日午後4時30分、福岡、佐賀、長崎の3県に「大雨特別警報」を発表。7日午前11時40分に3県とも「警報」に切り替えたが、同庁は「土砂災害や河川の氾濫の発生に油断することなく、市町村が発令する避難勧告などに従って身の安全を確保してほしい」と呼びかけている。雨は8日にかけて降り続く見通し。
7日正午までの1時間の最大雨量は、熊本県南小国町で82ミリ、大分県日田市で80・5ミリ、佐賀県嬉野市で55・5ミリ、福岡県大牟田市で51ミリを観測した。
読売新聞のまとめでは7日正午現在、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分県で約136万人に避難指示が出された。福岡県では約4000人が避難所に身を寄せている。
福岡県は7日、大雨で浸水した同県大牟田市の住宅で田中春子さん(87)の死亡が確認されたと発表した。
国土交通省は7日午前8時35分、筑後川上中流部で氾濫が発生したと発表。大分県日田市で周辺の住宅が浸水するなどの被害が出ているという。同県警日田署によると、午前7時48分頃、日田市天瀬町で「70歳代の女性が川に流された」と知人男性から署に通報があった。女性は玖珠川に流されたとみられ、署が捜索を続けている。
筑後川は、福岡県久留米市、うきは市、朝倉市、大刀洗町でも氾濫して浸水する恐れがあるという。
同省は7日午前、大分県と熊本県にまたがる下筌 ダムの水位が上がったとして、筑後川水系の津江川に緊急放流をした。下流には別のダムがあり、直ちに氾濫の危険性はないという。
一方、熊本県山鹿 市消防本部によると、7日午前6時45分頃、同市小原で通行人から「車が浸水し、車内に取り残されている人がいる」と119番があった。車内にいた男女2人の死亡が確認され、県警が豪雨との関連を調べている。
交通機関の乱れも続いた。JR九州は、九州新幹線の熊本―鹿児島中央駅間で終日運転を見合わせ、九州自動車道や長崎道、大分道など高速道も、一部区間で通行止めとなっている。
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