ランチ帯は1200円、14時から900円…価格変えて「密」防ぐ
新型コロナウイルスの感染拡大後、需要と供給に応じて価格を変動させる「ダイナミックプライシング」(DP)を店やホテルで活用する動きが広がっている。客が増える時間帯や時期は高値に設定する一方、少ない時には安くする手法で、混雑を避けて感染防止をしながら、収益を確保するのが狙いだ。
店やホテル 導入広がる
■行列なくなる
東京都渋谷区千駄ヶ谷の「お食事処asatte」(12席)は「日替わり定食」が唯一のランチメニュー。コロナ禍前には一律1000円で提供していたが、6月以降は毎朝、時間帯ごとの価格を、店先のはり紙とSNSで知らせている。
「豚ひき肉となすの
午後1時過ぎに価格が1000円になると、約30分間で11人が訪れ、900円に下がったその後も、客足は途絶えなかった。
当初はピーク時を1500円に設定したが、客が少なかったため、約2週間で1300円とし、先月14日には1200円に。一方、800円だった午後2時以降は、混雑したため900円に引き上げ、その後も頻繁に変更している。
車匡史店長(38)は「感染防止をしながら売り上げを追求するには、DPが最適だ」と話した。
■不公平感少なく
熊本県小国町の老舗ホテル「つえたて温泉 ひぜんや」は以前から、繁忙期は値段を上げて収益を増やし、客の少ない時期は安くして客を入れ、売り上げを伸ばすためDPを導入していた。ただ、感染拡大後、客数を抑えるために利用している。
宿泊する本館(700人)に密な状況を作らないように、7月上旬までは予約が100人を超えると料金を1人当たり数千円上げ、あえて多くの客が「高い」と感じる価格設定に変更。感染対策を強化した現在は、300人を基準にDPで宿泊者の調整を行っている。
同じ宿泊プランを利用するのに、予約時期で料金が変わることがある。ひぜんやでは、宿泊料が高い客に広めの部屋を用意したり、夕食の料理を豪華にしたりしている。営業支配人の吉留雄介さん(35)は「お客に不公平感を与えないよう努めたい」と語った。
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