定刻の午後6時1日目終了を告げられた藤井七段は、1分ほど過ぎたところで立会人の深浦康市九段(48)に、次の手を封じる意思を示した。第1局では木村王位が行ったため、お預けとなっていた封じ手デビューが実現。対局室内で仕切られた「封じ手部屋」に入り、6分ほどで書き終えた。
だが、封じ手を入れた封書を木村王位に手渡すと、まさかの差し戻し。封じ手は明朝の対局再開時まで開封されないよう、封をした部分に割印の意味で署名をすることになっているが、藤井七段はこれを忘れていた。木村王位に指摘されると、すぐに封筒の上下2カ所に署名。無事に深浦九段に提出し、1日目を終えた。
初めての封じ手でミスを犯したのは、藤井七段だけではない。囲碁の芝野虎丸三冠(20)は、タイトル初挑戦となった昨年8月の名人戦第1局で封じ手を記入した際、白番のため赤ペンで記入すべきところを、誤って黒番が用いる青ペンで記入した。芝野三冠はその局は落としたものの、その後4連勝。史上最年少タイトル記録を更新し、史上初の10代名人に輝いた。その意味では藤井七段のミスも“吉兆”と言えるかもしれない。
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