教職員によるわいせつ、セクハラの不祥事が相次いでいることを受け、静岡県教育委員会は近く、政令市を除く小中学校の児童・生徒に対し、セクハラ被害に関するアンケート調査を実施する方針を固めた。小中学生にセクハラ被害の有無などを直接確認することは異例だが、不祥事に歯止めをかけるためには、強い姿勢で臨む必要があると判断した。県教委によると、アンケート調査は、各市町の教委を通じて各学校の児童・生徒に行う予定で、「服装、容姿をからかわれたことがあるか」「学校で必要もないのに体を触られたことがあるか」といった内容の確認を想定している。県教委は匿名回答を可能にする方向で検討しており、今年度中にも実施する考えだ。
県教委は、そもそもセクハラという言葉の意味を理解できない子どもがいるとみている。このため、早ければ10月にもセクハラに関するパンフレットを市町教委を通じて学校に配布し、アンケート調査の前に子どもたちに意味を教えることにした。調査が性的な要素を含むことから、小学校低学年の児童を調査対象に含めるかは慎重に協議する。
県教委が児童・生徒への直接調査に踏み切る背景には、教職員によるわいせつ、セクハラの不祥事が相次いでいることがある。
昨年度は教職員の懲戒処分23件のうち、8件がこれらに関するものだった。今年度は、14件のうち5件に上っている。24日には県教委の教諭の男が、磐田市内で女子高生のスカート内に盗撮目的でスマートフォンを向けたとして、県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕された。
県教委の担当者は「小中学生に対するセクハラ被害の調査は異例だが、不祥事を断つためには必要だと判断した。抑止効果も期待出来る」としている。
一方、県教委は25日、外部の有識者や県内の教職員らを集めて、県教委の対応について意見を求める初の会合を開いた。県教委はこれまでも、幹部や校長らが対策チームをつくるなど、様々な不祥事防止策を講じてきた。
これらを現場の教職員や外部の第三者に評価してもらったうえで、改善につなげることが狙いという。県教委は今後、同様の会合を複数回にわたって開く方針だ。
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