2020年9月5日土曜日

大坂 全米16強…3年連続 元女王 新鋭下す

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 テニスの全米オープンは4日、ニューヨークで行われ、女子シングルス3回戦で第4シードの大坂なおみ(日清食品)は6―3、6―7、6―2で世界ランキング137位のマルタ・コスチュク(ウクライナ)に競り勝ち、3年連続の16強入りを決めた。4回戦では、前週の大会の準々決勝で下した第14シードのアネット・コンタベイト(エストニア)と対戦する。男子シングルス3回戦は、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)、第5シードのアレクサンダー・ズベレフ(独)が順当勝ちした。大坂は追い込まれていた。第2セットで18歳の新鋭に逆襲され、タイブレイクで落としてラケットを地面に投げた。最終セットも、1―2で迎えたサービスゲームで3ポイントを先取された。「私には経験がある」。22歳の元女王はそこから目を覚ました。
 エースを含む強烈なサーブでジュースに持ち込み、ラリー戦にも屈せず、計5度のブレイクポイントを防いでキープに成功した。直後の第5ゲームで、2連続ダブルフォルトを犯した相手の隙を逃さずにブレイク。そのまま5ゲーム連取でたたみかけた。
 ラケットを投げた第2セット終了後、ベンチで頭からタオルをかぶった。怒りとストレスを静めるための行為という。「受け身になり、相手の凡ミスを期待していたことが許せなかった」。勝負の最終セットで、腕を振って圧倒する本来の姿を取り戻した。
 4年前、18歳の大坂は局面の打開策を知らなかった。「当時との一番の違いは自信。今は何が起きても勝つチャンスがあると思える」と大坂。4年間の成長で18歳の勢いをはね返し、「彼女はすごくいい選手。将来がちょっと怖い」と贈った賛辞もまた、元女王らしかった。

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