2020年7月19日日曜日

 京都アニメーション放火殺人事件で、京都府警に殺人容疑などで逮捕された青葉真司容疑者(42)=鑑定留置中=が「ツルネ―風舞高校弓道部―」など複数の京アニ作品名を挙げて「自分の小説を盗まれた」と供述していることが捜査関係者への取材で分かった。京アニ側は盗作を否定しており、府警は京アニに小説を応募した青葉容疑者が一方的に恨みを募らせ、事件に及んだとみている。
 「ツルネ」は弓道部の男子高校生の青春群像劇。京アニが公募する「京都アニメーション大賞」で審査員特別賞を受賞した原作小説(2016年刊行)を基にアニメ化され、18年からNHKで放映された。
 捜査関係者によると、青葉容疑者は作品全体ではなく一部の場面について「盗用」と主張。別の複数の京アニ作品も挙げて、それぞれシーンの一部が自分の小説からの盗用だと供述している。また、小説を書いたのは生活保護から抜け出すことを考えたのがきっかけだとも述べているという。
 事件の約半年前にはインターネットの掲示板サイトに「ツルネでもパクってやがる」などの投稿があり、府警は関連を調べている。
 青葉容疑者はこれまでの調べに「京アニに小説を盗まれた」と一貫して主張。学校が舞台の「学園もの」など少なくとも長短編1本ずつを同大賞に応募していたが、京アニは形式上の不備で1次審査を通らず、事件前は内容を見ていなかったと説明している。青葉容疑者の応募作品を読んだ捜査関係者は「学園ものなら表現はどこにでもあるようなものだったりする。青葉容疑者の認識の問題だ」と話している。【千葉紀和、中島怜子】

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