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道路を渡りたいのに車が止まってくれない――。信号機のない横断歩道でこんな思いをする人と、事故を減らそうと、警視庁は、歩行者優先をアピールする独自の看板の設置を始めた。東京都内は、一時停止しない車が他県より多いとの調査結果があり、訪日客が見込まれる来夏の東京五輪・パラリンピックに向けて取り締まりも強化する。「歩行者あり!止まれ」と記した蛍光色の看板は、横断歩道の標識ポールに取り付けられる。来春までに、事故多発地点や通学路など114か所に設置する予定。
警視庁は取り締まりを強化しており、昨年の「横断歩行者妨害」での摘発は3万1271件で、2015年の約2・5倍。ポスターや交通安全講習でも「歩行者優先」を啓発している。
だが、日本自動車連盟(JAF)が昨夏、信号機のない横断歩道で歩行者がいる場合、車が一時停止するか調べたところ、都内は5・8%で、全国平均(17・1%)を下回った。
欧米では歩行者優先が浸透しているといい、警視庁幹部は「五輪で来日した人に、東京は交通ルールを守る安全な街だと感じてもらえるようにしたい」と話す。
歩行者優先 道路交通法は、歩行者や自転車が横断歩道を渡ろうとしている場合、車が一時停止して道を譲ることを義務付けている。渡るか不明でも、直前で停止できるような速度で進行する。違反すれば、反則金は6000~1万2000円で、3月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられる場合もある。
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