「一手一手自分なりに、しっかり指すことができた」。20日に福岡市で行われた王位戦七番勝負第4局。4連勝で王位タイトルを獲得し、最年少2冠を達成した藤井聡太新王位(1)は終局後の会見で、シリーズを振り返ってこう述べた。棋聖と合わせて2冠を手にした若き天才は「実感はまだないが、より一層精進していい将棋を指せるよう頑張りたい」と意気込みを語った。(中島高幸)
今期の王位戦は予選からの参加。「これまで予選で敗退していたので、挑戦者決定リーグ参加を目標にしていた」と振り返った藤井新王位。予選から無敗のまま頂点にのぼり詰めたのは、王位戦では初という。「実力以上の結果だと思う」と控えめに話した。
王位戦第4局は、封じ手の開封で飛車を切る驚きの強手を選んでいたことが話題になった。
序盤から木村一基前王位(47)に積極的に指されていると感じており、「封じ手のあたりは自信のない局面と感じていた。強く臨んで勝負しようと思った」と振り返った。
タイトル2期獲得で八段に昇段し、師匠の杉本昌隆八段(51)と段位が並んだことについては「気付いてなかったです」と表情をほころばせ、「師匠とは順位戦も竜王戦も同じクラス。お互い高め合っていければ」と話した。
藤井新王位は「七番勝負は非常に勉強になった。成長につなげたい」と謙虚に語りつつも、「将棋界を代表する立場にいるという自覚はある」と述べた。
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