2020年9月18日金曜日

 

滋賀県内の各市町の修学旅行への対応

© 京都新聞社 滋賀県内の各市町の修学旅行への対応

 長期休校など教育現場に前例のない対応を強いたコロナ禍は、秋の修学旅行にも暗い影を落としている。滋賀県内の多くの自治体で、学校現場は行き先変更や宿泊の中止など、従来とは異なる形での実施を求められている。感染症対策に加え、計画変更などによるキャンセル料の発生など、学校関係者はさまざまな課題に直面している。

 高島市と彦根市は、修学旅行の中止を決断した。高島市教育委員会学校教育課は「大変難しい決断だった。校長から『安心して任せてください、と言えるだけの材料がない』との声もあった」と明かす。「かけがえのない行事なので、代わりに思い出に残る行事はさせてあげたい」

 彦根市教委学校教育課も「学校行事の中でも一大イベント。ただ市内でも学校の規模に差があり、一律に3密を回避する旅行計画は難しかった。苦しい判断だった」と打ち明けた。

 一方、「行き先の県に国が緊急事態宣言を出したり、その県が独自の非常事態宣言を出したりしていない」(草津市)、「日帰りにする」(栗東市)などの条件付きで、修学旅行を原則実施する方針の自治体もある。

 日帰り旅行に変更した近江八幡市では、バスを利用する際、乗車率を6割程度に抑える。近隣県での2日連続の日帰り旅行を計画する竜王町も、例年よりも大型のバスを利用するなどして3密の状態を避ける。

 修学旅行の中止や計画変更で、キャンセル料が発生した場合の予算措置にも目を配る必要がある。

 高島市や愛荘町は市町が負担することに決めた。東近江市や彦根市、湖南市なども市町が負担する方針で、竜王町は一部補助の方針。日野町は保護者負担の最大50%を負担する予算措置を講じる考えで、守山市は計画変更で発生する料金を負担する方向で検討しているという。

 野洲市は、開会中の9月定例議会に、21日前までにかかるキャンセル料175万9千円を計上する補正予算案を提案。しかし「前日や当日に児童や生徒に感染者が出て100%キャンセル料が発生すれば、感染者への誹謗中傷が予想される」と頭を悩ませ、さらなる予算計上の検討を進めている。

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