2020年9月7日月曜日



 山形県内にある病院の2割近くで、勤務する看護職員が、新型コロナウイルスを理由に、誹謗ひぼう・中傷や差別を受けていたことが、県看護協会のアンケート調査で分かった。保育園や学童から預かりを断られたり、医療機関への受診を拒否されたりしており、同協会は「最前線の現場で奮闘する職員に対し、節度ある対応を取ってほしい」と訴えている。調査は、看護師、准看護師らに対する差別や、メンタルケアの取り組み状況などを尋ねたもので、6月に県内の全67病院と全71訪問看護ステーションなどに調査用紙を配布。67病院(回収率100%)、56ステーション(同78・8%)などから回答があった。
 アンケート結果によると、誹謗・中傷、差別があるとしたのは12病院(17・9%)で、新型コロナの患者が入院していない病院も含まれていた。家族から「家に帰ってこないで」と言われたことや、配偶者が会社での勤務自粛を求められるなどしたという。
 また、訪問看護ステーションも8施設(14・2%)で、中傷や差別的な扱いを受けたと回答。訪問先で全身に消毒液をかけられたという報告もあった。
 一方、職員のストレスチェックや、カウンセリングの機会を用意するなど、看護職員のメンタルケアに取り組んでいると答えた病院は、53病院(79・1%)あった。約半数の34病院は、中傷などに対する、職員の相談先があると回答した。
 同協会の井上栄子会長は「結果を他の医療団体や県などとも共有し、県全体で医療従事者へのサポート体制を考えるきっかけにしていきたい」と話した。

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