照ノ富士 復活3連勝
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大相撲7月場所3日目(21日・両国国技館)――白鵬は厳しいおっつけで遠藤を圧倒、新大関の朝乃山も力強い攻めで豊山を寄せ付けず、ともに初日から3連勝。大関カド番の貴景勝は隠岐の海の押しに腰が入ってあおむけに倒され、初黒星。御嶽海は捨て身の首投げで勝ちっ放しとしたが、正代は初黒星。
[やぐら太鼓]元大関、序二段から再入幕
「体動いている」
元大関が幕内前半に4人も登場する異例の場所。中でも史上初めて序二段から幕内に復帰した照ノ富士の存在感が際立つ。初日から3連勝を飾り、「体も動いている」と静かに語った。
自身より10キロも重い190キロの千代丸の当たりを難なく食い止めた。前傾姿勢で押し込み、右四つで左上手を取ると、すぐさま上手投げで転がした。全盛期の豪快な取り口を思えばまだ手探りの様子もあるが、相手に何もさせない相撲に、審判部副部長を務める高田川親方(元関脇安芸乃島)は「下からはい上がった分、幕内の土俵の喜びをかみ締めながら、いい相撲を取っている」と評価した。
糖尿病や両膝のけがなどで、大関から序二段まで転落。長期休場を経て昨年春場所で復帰した当時は腰高で上体が起き、「自分から足が出ていかない。何なんだろう」とこぼしていた。ただ、師匠の伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)の「やれば出来る。もう一度復活する姿を見せたらいい」という言葉を胸に、稽古やトレーニングを続け、ここまで番付を戻してきた。
幕内土俵入りでは富士山を太陽が照らす模様の化粧まわしをつけた。「頑張っている姿を見せたい。精いっぱいやれることを全部やっていきたい」。どん底を味わった男が務める必死の土俵は、見る者の胸を打つ。(松田陽介)
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