2020年7月23日木曜日

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患っていた京都市の女性=当時(51)=から依頼を受け、薬物を投与し殺害したとして、京都府警が嘱託殺人の疑いで宮城県の40代の呼吸器内科医と、東京都の40代の内科医の逮捕状を取ったことが23日、捜査関係者への取材で分かった。
 捜査関係者によると、2人は共謀して昨年11月30日、ALSで寝たきり状態となっていた女性に頼まれ、京都市内の女性宅で、薬物を投与し、殺害した疑いが持たれている。
 女性は数年前からALSを患って闘病を続けていた。2人は女性の主治医ではなかったといい、SNS(会員制交流サイト)を通じて知り合ったとみられている。
 死亡した経緯に不自然な点があり、女性が薬物の投与を受けた疑いが浮上。京都府警はメールなどのやり取りから、2人が女性の依頼を受けて殺害したとみて捜査していた。2人が見返りに現金を受け取っていたとの情報もあり、裏付けを進める。
 投与されたのは、医療現場では鎮静剤や抗てんかん薬として使われている薬物。大量に摂取すると致死性があり、欧米では医師による安楽死や死刑の執行に用いられることもあるというが、日本国内では市販はされていない。
 女性が罹患(りかん)していたALSは全身の筋肉が徐々に動かなくなり、進行すると呼吸困難になり死にいたる難病。女性は死亡当時、すでに自力でのまばたきも難しくなっていたといい、「安楽死」を希望したとみられている。

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