2020年7月15日水曜日


2020/07/14 19:42
© Number Web 提供 王位戦第2局を戦った藤井聡太七段(左)と木村一基王位。
 木村王位の先手番で始まった今局、戦型は「相掛かり」で進み、藤井七段が40手目で自身初となる封じ手をする展開に。サインの方法について木村王位が“アドバイス”する場面が話題となる中、14日に立会人の深浦康市九段が封筒を開封し、8六歩から対局が再開された。
 そしてこの日は解説などずば抜けたトーク力で「将棋の強いおじさん」と高い人気を誇り、「千駄ヶ谷の受け師」との異名も持つ木村王位が藤井七段の飛車さばきを止めにかかる展開となった。
 元奨励会経験者・片山良三氏による「NumberWeb」の記事では、棋聖戦で藤井七段が対局している渡辺明三冠が「木村さんは昔から指し方を変えていません。リスキーで損な指し方と言われていたこともありましたが、いまはAIに最も高く評価されている棋士です」と評していたが、“AI超え”の手を繰り出す若き俊英・藤井七段と、円熟味あふれる木村王位の妙手がつばぜり合った。
 長い中盤戦の後に少しずつリードを奪ったのは木村王位。藤井七段が天を見上げる場面が増えるなかで木村王位はジワジワと相手玉を追い詰めにいく。一方、藤井七段は122手目で5三香という攻防手を繰り出すなど粘りを見せ、お互い1分将棋となる熱戦の中で藤井七段が逆転。最後は木村王位が144手までで投了し、藤井七段の連勝となった。
 藤井七段の次局は中1日で、16日の棋聖戦第4局(大阪・関西将棋会館)となる。この1カ月間で東京、愛知・豊橋、北海道、そして大阪と長距離移動が続く中、藤井七段は心身の体力を万全にして初タイトルへの一戦を迎えられるか。

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