2020年8月27日木曜日

独自】携帯乗り換え「原則無料」に、手数料を引き下げ…総務省が調整 


 携帯電話の契約会社を変更しても同じ電話番号が使える「番号持ち運び制度」(MNP)の利用手数料について、総務省は現在の3000円から、原則無料とする方向で調整に入った。乗り換えを活発にして携帯会社間の競争を促し、世界的にも高額とされる携帯料金の引き下げにつなげる狙いがある。
過度な引きとめ 禁止
 総務省が27日に開く有識者会議「競争ルールの検証に関するワーキンググループ」に提案する。秋頃までに議論をまとめ意見公募し、MNPに関する指針を年度内にも改定する考えだ。
 総務省はMNPについて大きく三つの方向性を示す。
 手数料は原則無料とするが、店舗で移行手続きを行う場合は、上限1000円の徴収も認める。オンラインでの受け付けも、大手は午前9時~午後8時などと限定しているため、24時間利用可能とする。
 また、顧客の過度な引きとめ策も禁止する。自社の別プランに誘導したり、携帯料金や買い物の支払いに利用できるポイントを付与したりすることを禁じる方向だ。
 総務省がMNPを抜本的に見直すのは、3000円の手数料が手軽な乗り換えを阻害しているとみているからだ。米国や英国など主要国の多くでは、手数料を取らないのが一般的だ。しかし日本では2006年の導入時に2000円だった手数料が、後に3000円に引き上げられた。
 MNPの利用件数は足踏みが続く。NTTドコモが米アップルのiPhone(アイフォーン)の販売を開始した13年度に657万件に上ったのがピークで、16~18年度は500万件前後で推移している。
 MNPの導入以前は、利用者は契約会社を変えるたびに新しい携帯電話番号を使わざるを得なかった。MNPによって同じ番号を長期的に使えるようになって利便性は増したものの、政府が目指す携帯料金の大幅な引き下げには至っていない。

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