2020年8月27日木曜日

水上オートバイの一斉指導で利用者に声をかけ、免許証などを確認する海上保安官=神奈川県逗子市の逗子海岸で、樋口淳也撮影© 毎日新聞 提供 水上オートバイの一斉指導で利用者に声をかけ、免許証などを確認する海上保安官=神奈川県逗子市の逗子海岸で、樋口淳也撮影  海の事故が昨年に比べ増加している。第3管区海上保安本部のまとめによると、管轄する関東や静岡県の沿岸では7月中旬以降に110人以上が事故に遭い、昨年の同じ時期から約3割増えた。今夏は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、海水浴場が開設されていない海岸がほとんどだが、遊んだり、遊泳したりする人の姿が見られている。海保は今後、こうした事情が事故件数増に影響したかどうか分析する考えだ。【樋口淳也】
 同海保によると、7月16日~8月23日に事故に遭ったのは116人で、昨年の86人から30人増えた。このうち26人が死亡、1人が行方不明となっている。大半を遊泳やサーフィンなどといったマリンレジャー中の事故が占めた。
 海保の分析によると、遊泳中に事故に遭った人は36人。8月前半までは昨年より少ない傾向にあったが、後半に入り県内などで遊泳中の事故が相次ぎ、ほぼ同水準となっている。
 サーフィン中の事故は昨年から倍増して12人に上った。スタンドアップパドルボード(サップ)を使っている人の事故は4倍の8人となった。
 一方で、船舶遭難は35隻で、昨年の同時期より10隻減っている。この35隻に絡んだ死者・行方不明はいなかった。多くがプレジャーボートによる事故だという。今年は新型コロナの影響で船舶を使ったレジャーを控える人が多かったとみられ、海保は事故件数の減少につながったとみている。
 この夏は、新型コロナの影響で神奈川県内の海水浴場が開設されず、例年のような遊泳区域なども設定されない。そのため、海保は普段とは違う夏の海でのレジャーに注意を呼びかけてきた。
 今月初めには、横須賀海上保安部が、水上オートバイの一斉指導を逗子海岸(逗子市)などで実施。監視取締艇やヘリコプターなどを投入し、浜辺などでは海上保安官と逗子署員が監視にあたった。
 横須賀海保によると、逗子海岸には水上オートバイの利用者が食事などで寄ることが多いという。一斉指導では、水上オートバイの利用者が到着すると、免許の携帯や飲酒の有無などを確認し、免許不携帯などで警告するケースもあった。
 海保は31日までを「夏の事故ゼロキャンペーン」の期間としている。今後、期間中の事故を集計し、例年と違う傾向があるかなどを分析する方針。

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