料理研究家の浅倉ユキさんは、普段は生協で1週間分の食材をまとめ買いしている。基本的な調味料や野菜、肉、魚、卵など定番の商品が定期的に届くことで、特売品や半額商品を衝動買いすることがなくなるという。
「肉や魚などの生鮮食品はすぐに冷凍保存します。日持ちしない葉物野菜や豆腐などから食べて、牛乳など賞味期限が短いものは余分にストックせず、なくなったら買い足すようにしています」(浅倉さん)
生協がお盆休みだった期間はネットスーパーを利用したというが、家族5人分を1週間分まとめ買いして、たったの5000円だったと話す。その秘訣は、食品ロスを出さない献立作りにある。
「食材が余ったら、冷蔵庫にある食材をすべて調理台に出します。実際に目で見てからメニューを作ると、炒め物ひとつ作るときでも残った野菜を使いきることができてロスが出ません。頭の中だけで献立を作ると使い残しが出ますが、並べることでスープやサラダに大抵の食材を使うことができるんです。
買い物する前は、だいたいの献立をイメージして、あらかじめ材料をリスト化しておきます。いざ買い物するときは深く考えず、定番のお肉や野菜を買い足していく感覚で選べば失敗しません」(朝倉さん)
スーパーで無駄にお金を使ってしまう人は、浅倉さんのような「計画性」が足りないことが多い。ファイナンシャルプランナー(FP)の花輪陽子さんが言う。
「お金がたまる人は家に何があるのかを把握し、あるものでやりくりします。そういった計画性が、お金をためる上では必須スキルになります」
とにかく最初の目標は「3日に1回」
だからといって、料理が苦手な人がいきなり週1回のまとめ買いをするのはハードルが高い。冷蔵庫の容量にも限界があるため、毎日スーパーへ行っている人は、まずは買い物回数を3日に1回にするところから始めると見通しを立てやすい。その際、利用するスーパーは用途に応じて使い分けても構わない。節約アドバイザーでFPの丸山晴美さんが話す。「たとえば、冷凍保存できる肉や日持ちする野菜は業務用スーパーでまとめ買いした方がお得です。そのほかのものはネットスーパーで購入し、どうしても買い足したいものがあれば、送料が高くつくくらいなら実店舗で買っても構いません」
このとき、こだわりたいのは支払い方法だ。最近は新型コロナ対策にキャッシュレス決済が推奨されていることもあり、クレジットカードや電子マネーで支払う人が増えている。ネットスーパー、実店舗のいずれを利用するときも、なるべく「チャージ式」の電子マネーを使うべきだと丸山さんが続ける。
「人は、手持ちの金額によって購入時の心理が変わります。たとえば財布に2000円しか入っていなければ本当に必要なものを選んで買いますが、1万円あると気持ちが大きくなって『1万円の心理』になる。後払いタイプの電子マネーやクレジットカードは、『1万円の心理』が働いて無駄遣いしやすいんです。
「食費は、家計の中でも管理が最も難しく、いちばん頭を使います。逆に言えば食費の管理がうまくできる人は、そのほかの家計の管理も見えているということ。スーパーへ行く回数を無理なく減らし食費をコントロールできれば、必ずお金はためられます」(丸山さん)
余裕のある買い物習慣を身につけて、ストレスなくやりくりできる方法を見つけよう。
※女性セブン2020年9月3日号
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