2020年8月27日木曜日

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 新型コロナを巡っては現在、致死率が高いペストなどへの対応を一部上回る措置を取っており、保健所や医療現場の負担が重い。政権内からも「過剰だ」との声が上がっていた。感染拡大を防ぎつつ、どこまで措置を緩められるかが焦点となる。
 感染症法は、感染症を危険度に応じて1~5類に分類し、各類ごとに入院勧告や就業制限など、取れる措置をパッケージで定めている。一方、当初新型コロナの病態は未解明だったため政府は1~5類とは別に暫定的な分類となる「指定感染症」に指定。指定感染症は1~5類に加え、強毒性の新型インフルエンザ向けの措置の中から、政令で対応を選び取れる。
 当初は結核など「2類感染症」と同等の扱いとしたが、その後の政令改正で「無症状者への入院勧告」や「患者などへの外出自粛要請」などを次々追加。現在は1類か、それ以上の措置が取れる。一方、厚生労働省は4月、第1波による病床逼迫(ひっぱく)を受け、無症状者と軽症者はホテルなどでの宿泊療養を基本とする考え方を示した。政令を改正しないで運用によって弾力化を図ったが、一部の自治体が政令を厳格適用し、無症状者も病院に入院させるなど過剰とも言えるケースも出ている。
 無症状者について、厚労省は「宿泊療養を求められるのは、入院勧告ができるからだ」(幹部)として、現行規定を修正しつつ宿泊療養を徹底したい考え。一方、首相官邸内には、今の扱いが必要以上に世の中の警戒心を招く原因になっているとの考えから、無症状者は入院勧告の対象から外し、各種措置も緩和すべきだとする声も根強くある。
 また、政府はワクチンについて副反応(副作用)による健康被害で訴訟が起きた場合、国が製薬企業の訴訟費用や賠償金を肩代わりする法律を、接種開始までに整備する方針も示す。
 一方、政府はPCR検査について、発熱や陽性者との接触歴がない65歳以上の高齢者や基礎疾患のある人に対し、検査料を補助する自治体に財政支援する方針だ。【横田愛、東久保逸夫】

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