2020年8月27日木曜日

子供の髪を誰が切るかで思わぬ対立が(イメージ。Getty Images)© マネーポストWEB 提供 子供の髪を誰が切るかで思わぬ対立が(イメージ。Getty Images)  ウィズ・コロナ時代の新しい生活様式をめぐっては、試行錯誤が続けられている。そんな中、久しぶりに再会したママ友とのちょっとしたゴタゴタを経験した30代主婦の話を、フリーライターの吉田みく氏が聞いた。
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「子供のヘアカットって、動くし大変ですよね。皆さんどうしているんでしょうか」
 そう話す都内在住の主婦・岩井紀子さん(仮名・32歳)は、現在2歳の男の子を育てている。先日、子供の散髪問題をめぐって、ママ友から苦言をいわれたそうだ。
「緊急事態宣言が解除された後、ママ友から会おうと誘われたのがきっかけでした」(岩井さん、以下同)
 必要最低限の外出しかしていなかったこともあり、岩井さんの髪の毛はボサボサ。“人と会うなら最低限の身だしなみは整えておきたい”という思いから、家族でいわゆる「1000円カット」の店へ行くことにした。
 岩井さん自身は都心にある美容院に通っていたが、子供の預け先の確保などが難しく、今回は簡単に済ませることを決めたそうだ。
「本当なら気分転換もかねて美容院へ行きたかったです。しかしこのご時世ですので……仕方がないですね」
緊急事態宣言明けの1000円カットは大混雑。岩井さん家族も90分ほど待つこととなった。店内ではアルコールジェルや席の間隔をあけるなどの対策が行われており、安心して利用することができたと振り返る。
 特に助かったのが2歳児の散髪だったそうだ。
「我が家には元気いっぱいの男の子がいます。以前までは自宅で散髪していたのですが、最近はジッとしていることができないので……。万が一、刃物が当たったら大変ですので、半年前くらいから1000円カットへ行くようにしています」
 最近の理容店には、子供が好みそうな車の形をした座席などが用意されており、子供を誘導しやすく、無理に連れて行くなどのストレスもなく、散髪を終えることができるという。

「もったいない!」

「このことをママ友の前で話したのが失敗でした」
 ママ友との約束の日。話題は緊急事態宣言中の過ごし方や子供の成長具合などについてだった。子供が小さい頃から知っているママ友だったこともあり、岩井さんは特に気にすることなく、店での散髪の話をしたそうだ。
「ママ友から“もったいない! 自宅で散髪すればタダじゃない。今でも私が切ってるよ。今度切ってあげようか?”って言われたんです」
 もちろん散髪をお願いすることはなかったが、妙な勘違いが生まれたら嫌だと思い、1000円カットを利用するに至った経緯を話すと、ママ友から意外な言葉が返ってきたのだ。
「“どのママも、子供が大変な状態でも散髪はしているんだよ。ちょっと甘やかしすぎだよ。また緊急事態宣言が発令されたら髪の毛どうするの?”と言われました」
 そして話はどんどん広がっていき、最終的には、「子供は親の苦労している姿を見て愛情や生活の学びを得るの。これじゃ愛情不足になりかねないよ? 自己肯定感が高いか低いかって親からの愛情と比例するみたいだよ。気を付けてね」とまくし立てられたそうだ。
 この言葉をきっかけに、そのママ友とは距離を置くようになったと岩井さんは言う。
「価値観が合わないなぁって思いました。初めてできたママ友だったので、とても残念です。コロナでストレスでも溜まっていたのでしょうか……」
 ママ友が言うように、自宅で済ますことができれば0円である。しかし、満足のいく仕上がりや安全面などを考えれば、プロに任せるほうが合理的な場合も多いだろう。そもそも、ハサミやバリカンの得手不得手という問題もある。さまざまな意見がある乳幼児の散髪問題。うかつなことは言わないほうが無難かもしれない。

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