2020年8月14日金曜日

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「曽根崎心中」にも登場、江戸期の墓地から人骨1500体超…猫の骨つぼも


1500体以上の人骨が出土した「梅田墓」の発掘現場(大阪市北区で)=原田拓未撮影1500体以上の人骨が出土した「梅田墓」の発掘現場(大阪市北区で)=原田拓未撮影

 大阪市教育委員会は13日、JR大阪駅北側の再開発区域「うめきた2期」で、梅田墓うめだはか大深町おおふかちょう遺跡)を発掘し、1500体以上の人骨が出土したと発表した。江戸期の墓地の大規模な発掘は全国的にも珍しく、これほどの数の人骨がまとまって出土するのも異例だ。うめきた2期の工事に伴い、昨年9月下旬から約2400平方メートルを調査。うち約1500平方メートルは1800年代初期から1890年頃までの墓地で、複数をまとめて埋葬した竪穴が多くあり、疫病などで同時期に死去したと考えられる。納骨堂の可能性がある建物跡や、キセルや金貨などの副葬品、猫の骨を納めた骨つぼなども見つかった。

 調査区域に接する西側と南側の約700平方メートルを2016、17年度に調査した際は、約280平方メートルから200体以上の土葬された人骨などが出土。前回と今回の調査により、墓地が少なくとも約1800平方メートルはあったことが分かった。

 うめきた2期のエリアには、JRの新駅や都市公園などが整備される。

 狭川真一・大阪大谷大教授(考古学)の話「一つの穴の中に複数体を埋葬するなど、人口の多い大都市特有の事情がうかがえる。出土品を分析することで、記録には残らない庶民の生活環境が見えてくるだろう」

 ◆梅田墓=江戸時代初期に設けられ、1680年代に現在の場所付近に移転、明治時代まで使われた。近松門左衛門の「曽根崎心中」にも登場する。

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