2020年8月14日金曜日

産経新聞 勝手に「大文字」点灯、過去にも…関係者憤慨「行事の意味考えて 」 2020/08/14 11:35 産経新聞社 勝手に「大文字」点灯、過去にも…関係者憤慨「行事の意味考えて」  伝統行事「京都五山送り火」の「大文字」で知られる如意ケ嶽(京都市左京区)で8日、何者かが電灯とみられる明かりをともし、数十分間にわたって「大」の文字を浮かび上がらせる騒ぎがあった。誰の仕業かはわかっておらず、関係者は怒り心頭だ。実は大文字への“いたずら”はこれまでも何度か行われており、そのたびに住民を驚かせ、関係者を憤慨させている。   五山送り火は毎年8月16日、「大文字」「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」の文字や形を炎で浮かび上がらせ、盆に迎えた先祖の霊を送り出す行事。無病息災を祈る京都の夏の風物詩だ。今年は新型コロナウイルスの影響で見物者の「3密」を避けるため、点火箇所を大幅に減らして実施すると決めていた。 しかし、本来の日程より1週間以上早い今月8日午後11時ごろから約50分間にわたり、大文字がライトのような青白い明かりで点灯され、ツイッターなどのSNS上で騒ぎになった。ラジオDJの野村雅夫さん(41)も市内の自宅マンションから「大」の文字を目撃し、撮影した写真を自身のツイッターに掲載。「日にちも時間も違うのに文字があり、率直に驚いた」と話している。 勝手に「大文字」点灯、過去にも…関係者憤慨「行事の意味考えて」© 産経新聞社 勝手に「大文字」点灯、過去にも…関係者憤慨「行事の意味考えて」 過去にも学生らが   大文字が勝手に点灯される“いたずら”は今回が初めてではない。昭和47年10月30日には、地元の大学生ら約70人が懐中電灯を使って「大」の文字を点灯。翌日付の京都新聞によると、周辺に下宿していた学生らが常連だった飲み屋の開店5周年を祝おうと企画し、午後9時過ぎから約25分間、本物の3分の2程度の大文字を点灯したという。   同51年1月26日には、米の前衛ロッカー、フランク・ザッパの京都公演を宣伝するため、京大生を中心にした大学生ら数十人が、京都中のレンタル店からかき集めた大型電灯で「Z」を描いた。   当時イベントプロデューサーとして公演に関与し、「Z」の仕掛け人でもあった壁画絵師の木村英輝さん(78)によると、チケットは完売したものの、後日、紋付きはかまで正装した大文字保存会の役員ら数人が木村さんのもとを訪問。宗教行事なので決して許されないと説かれたという。「京都の人にわかってもらえるのはこれだと思った。火ではなく電気を使ったことで許されるのではと考えたが、ひたすら謝りまくった」と木村さんは振り返る。 平成15年9月13日夜には、18年ぶりのリーグ優勝が間近に迫った阪神タイガースのロゴマークが点灯されたこともあった。 警察は捜査せず  こうした行為は刑事処罰の対象になるのか。 京都府警によると、如意ケ嶽は大文字保存会などの私有地だが、誰でも立ち入ることができることなどから、刑事事件として立件することは困難だという。今回についても府警は捜査を打ち切っている。ある捜査関係者は「山に登りライトを照らしただけでは、警察としてはどうすることもできない」と打ち明ける。   保存会は問題を受け、11日に如意ケ嶽の登山口2カ所に入山自粛を依頼する張り紙を張った。長谷川英文理事長(75)は「送り火の本当の意味を考え、いたずらでは済まないことを、分かってほしい」としている。

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